見えにくい高校生世代の貧困 元教員らでつくる船橋のNPO法人、学校で食料提供「支援する大人いると知って」

生徒に新米を渡す吉永理事長=10月14日、千葉市中央区の県立千葉工業高校
生徒に新米を渡す吉永理事長=10月14日、千葉市中央区の県立千葉工業高校
提供された焼きのりを配布用に小分けするスタッフら
提供された焼きのりを配布用に小分けするスタッフら

 元教員や現役の教師らでつくる船橋市のNPO法人「ハイティーンズサポートちば」が、貧困に悩む高校生世代の支援に取り組んでいる。現在は食材の無料提供が中心だが、教育現場での豊富な経験を生かした学習や就労援助などの活動も視野に入れている。羞恥心などからか10代後半の貧困問題は発覚しにくいとされ、吉永馨理事長(67)は「まずは、支援している大人がいると知ってほしい」と話している。

 同法人には、県立定時制高校の給食存続運動(2018年度全校廃止)を推進したメンバーら約25人が参加している。見えにくいとされる高校生世代の貧困問題に対応しようと、今春にNPO法人化し、支援に乗り出すことにした。

 吉永理事長も元県立高校の教員で、10代後半の貧困問題が発覚しにくい要因について「遠慮や恥ずかしさからか、困っていても自分から言い出せないのでは」と説明。それでも、子どもたちの話を聞き「水を向けると、打ち明けてくれる生徒もいる」と指摘する。

 10月には最初の活動として、県内の3高校で米の無料配布会を開催。「フードバンクちば」提供の県産新米を1人3キロまで配り、千葉海苔(のり)問屋協同組合の協力で焼きのりも用意した。

 県立千葉工業高校(千葉市中央区)では、全日制と定時制の生徒約70人が食材を受け取り、スタッフは「たくさん食べて」「勉強頑張って」と呼び掛けていた。定時制4年の男子生徒(18)は「特に困っているわけではないが、初めてやるので来てみた。持ち帰って家族みんなで食べたいです」と感謝していた。会場では生徒へのアンケートも行い、配布頻度の希望や悩み事を記入してもらった。

 吉永理事長は「こうして顔を見せることで、まずは支援している大人がいると知ってほしい。先生に言いにくいことも言ってもらえたら」と意欲を語った。

 同法人は今後も高校での食材配布会を実施するほか、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を窓口にした悩み相談も始めた。若者の居場所づくりなどの活動も検討している。


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