千葉大、次期学長に中山俊憲氏  「世界に冠たる大学目指す」 免疫学専門、コロナ研究も

次期千葉大学長に決まった中山俊憲氏=4日、千葉大
次期千葉大学長に決まった中山俊憲氏=4日、千葉大

 千葉大(千葉市稲毛区)は4日、徳久剛史学長(71)の任期満了に伴う学長選考会議を開き、次期(第15代)学長に現副学長(未来医療担当)の中山俊憲氏(61)を選出したと発表した。任期は2021年4月1日から4年間。大学で記者会見した中山氏は、コロナ禍における教育環境整備や学生支援に触れつつ「目指すゴールは、世界に冠(かん)たる千葉大学。全教職員が力を合わせてより良い大学にする」と抱負を述べた。

 中山氏は岡山県出身。山口大医学部卒、東大大学院修了。免疫学やアレルギー学が専門。米国立がん研究所や東大医学部免疫学教室、東京理科大の研究所勤務などを経て、千葉大大学院医学研究院長、医学部長。

 記者会見で中山氏は▽世界をけん引する研究▽ポストコロナ時代の人材育成▽長期的な大学の経営力強化▽多様性を尊重する職場環境の充実―をキーワードに掲げ「千葉大ブランドを醸成・発信する」と意欲をみせた。

 求める学生像として「課題解決力を養い、新しい価値観を創造してほしい」。一方で、コロナ禍における教育について「学生同士の話し合いなど対面が良いものと、オンラインの良さを取り入れられるように模索中。すでに奨学金などのサポートをしているが、さらに必要があればメンタル面を含め学生が孤立しないように支援していきたい」とした。

 中山氏は、大学と県内医療機関が連携して取り組む新型コロナウイルス感染の重症化を予測する臨床研究で中心的な立場を担う。医学部と薬学部、看護学部が集まる亥鼻キャンパスの高機能化構想で、資金調達を含め施設や環境整備に尽力。人材育成を伴う新たな研究として「治療学」を推進する。

 学長選考には、中山氏と千葉大理事で文学部教授の山田賢氏(60)が立候補。今月2日の教職員らによる投票で中山氏が751票、山田氏は507票を獲得。4日の選考会議で委員14人よる投票でも大差がついた。宮坂信之議長(東京医科歯科大名誉教授)は中山氏について「基礎研究から新たな治療学を創り出そうとしたところが非常に優れている」と評した。

 医学分野からの学長就任は15代の中山氏で12人目。


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