海のレジャーと監視役に ライフセービング会社、シーカヤック体験ツアー 中止の海水浴場周辺で 銚子

銚子市の海で8月に始まる屏風ケ浦を望むシーカヤック体験(TKS提供)
銚子市の海で8月に始まる屏風ケ浦を望むシーカヤック体験(TKS提供)
「銚子にアクティブな観光を提供したい」と語る田村さん=16日、銚子市
「銚子にアクティブな観光を提供したい」と語る田村さん=16日、銚子市

 銚子市と旭市で海水浴場の監視業務を担ってきた「TKS」(山武市)が、海食崖の絶壁が続く名勝「屏風ケ浦」(銚子市)周辺で、海でこぐ小舟「シーカヤック」の体験ツアーを8月から始める。新型コロナウイルス感染防止のため県内で海水浴場が開設されず、監視業務がなくなる中、技術を生かした新規事業で人々に景勝地を間近に楽しんでもらうとともに、海辺の事故の防止・早期発見に取り組む考えだ。

 同社はスイミングクラブ運営会社「カワサキスポーツサービス」(川崎市高津区)の一部門としてスタートし、2016年に独立した。ライフセービングを担ってきた銚子・旭市は今年、新型コロナ感染防止のため海水浴場設置を見送った。いずれも海岸にライフセーバーは配置しないという。

 「海水浴場を開かなくても、海で泳いでしまう人がいる」。危機感を感じた社長の田村憲章さん(43)は沖合から海辺の様子を見られるシーカヤックに着目した。ライフセービング競技の中で似たような小舟「サーフスキー」を扱うため、乗りこなすことができる。「(シーカヤック事業を)ライフセーバーが担うことで、海辺の事故の未然防止・早期発見につなげたい」と意気込む。

 シーカヤックのスタート地点は「銚子マリーナ海水浴場」の砂浜。3密を避けるため参加者は1回8人までとし、ライフセーバーが付き添って指導する。銚子ジオパーク推進協議会が協力し、屏風ケ浦に関するガイドも楽しめる。田村さんは「銚子にアクティブな観光を提供したい。美しい景色をぜひ楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。

 対象は4歳以上。8月中は4290円、月曜定休。完全予約制。最少催行人数2人。天候不良時は中止する。問い合わせはTKS(電話)0475(77)8028。


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