2020年5月17日 05:00 | 有料記事

柏児童相談所長 渡辺直さん

私は子どもに関するあらゆる相談が寄せられる児童相談所に勤務している。新型コロナの緊急事態宣言が発令されて10日を過ぎたころから「このままでは子どもに何をしてしまうかわからない」という相談が増えてきた。
この方のように誰かに相談することで発信されれば、私たちは家庭という密室で起きていることを知ることができる。知らされないと秘密化・潜在化し、そこに対応することができないままとなってしまう。
確かに、外出自粛や休校により、ルーティンが刻めない中、始終同じ顔を突き合わせているとキレる沸点が低くなり、トラブルも増えることだろう。けれど、そのイライラを「怒鳴る」とか「たたく」「嫌みを言う」「けなす」「否定する」という暴力的なコミュニケーションで発散してほしくない。そうしてしまう前にいったん立ち止まって離れ、落ち着いてほしい。
では、気づくにはどうしたらいいか。それは「ひどいおとぎばなし」という行動(言葉)のカードを切りそうになった時がサインである。その時は意識的にスイッチを入れて「ほま ・・・
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