被災乗り越え日本一 東金・千葉学芸高校2年 中村さん自転車選手権で快走 【台風15号 被災地はいま】

全国優勝のメダルと賞状を手に競技用自転車にまたがる中村さん=東金市
全国優勝のメダルと賞状を手に競技用自転車にまたがる中村さん=東金市

 東金市の千葉学芸高校2年、中村凌輔さん(16)が、14~16日に静岡県で開かれた自転車の全国大会で初優勝した。台風15号で自宅が被災。路上の練習コースも倒木で一部が使えなくなるなど直前の調整に苦労したが、試合当日はゴール前の数百メートルを全速力で駆け抜ける作戦が奏功。「将来は日本代表になりたい」と意気込んでいる。

 中村さんが参加したのは「第88回全日本自転車競技選手権大会トラックレース」の中の、250メートルトラックを10キロ分周回する「スクラッチ」という競技。2001~02年生まれを対象にした「男子ジュニア」の部に出場した。

 決勝に進んだのは計16人。中村さんは終盤まで、トップ2人を追い掛ける低速の集団に混じり体力を温存。残りの半周で一気に追い上げ先頭に出た。「疲労で息ができないほど苦しく、太ももも痛くなった」が、力を振り絞りそのままゴールへ。「まさか優勝できるとは考えてなかった。とても気持ち良かった」と喜びを口にした。

 大会前の9日未明に上陸した台風15号の影響で大網白里市の自宅が停電と断水に見舞われ、練習で疲れた体を十分に休めることができなかった。また、自宅から大多喜町などを経由し戻る練習コースは倒木などで寸断され、短縮せざるを得なかった。

 「4日間も停電したのは初めての経験だった。もっと早く復旧すると思った」と振り返る。被災生活の長期化で調子が狂ったが、見事試練を跳ね返しこれまでの自身最高成績の「高校総体6位」を大きく上回る快挙となった。

 指導する原田康司教諭は「1年生で高校総体に出た実力者で抜群の身体能力と試合運びのうまさが強み。研究熱心で真面目な点も勝利につながったのでは」と評価した。中村さんの将来の夢は「日本代表になりアジア選手権などで活躍すること」。次の試合は10月の国民体育大会。「絶対に優勝したい」と誓った。


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