児童虐待「親へのケアを」 野田小4女児死亡事件受け森田氏講演 柏

児童虐待問題で、親へのケアの必要性を説く森田氏(中央)=23日、柏市
児童虐待問題で、親へのケアの必要性を説く森田氏(中央)=23日、柏市

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件を受け、子どもや女性への虐待、暴力防止に取り組む森田ゆり氏が23日、柏市内で講演した。森田氏は、心愛さんの母親がDV(ドメスティックバイオレンス)被害者だったことに触れ、「虐待は多重なストレスと孤立で生じる。子どもを救うには親へのケアが必要」と訴えた。

 森田氏は虐待、DV、性暴力の防止などを主題に研修セミナーや政策提言を行う「エンパワメント・センター」の主宰。虐待に走ってしまった親の回復プログラム「MY TREEペアレンツ・プログラム」をはじめとする各種プログラムを開発、実践している。

 子どもを持つ母親を中心に約140人が来場し、市役所や県柏児童相談所の職員も参加。森田氏は心愛さんと、昨年3月に東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が死亡した事件を軸に持論を展開し「ともに母親が夫からDVを受け、子ども(心愛さん、結愛ちゃん)がスケープゴートになっていた。母親は恐怖心から、子どもがその役割を担ってくれないと困ると考えていた」と説明した。

 また、野田の事件では父親と心愛さんの妹、目黒の事件では父親と結愛ちゃんの弟がそれぞれ同盟関係にあり、暴力の矢印がスケープゴートに向くことで「家庭を維持していた」と分析。一方「母親を利己的とは言えない。暴力はそれだけ人間の心を支配する恐ろしいもの」と強調した。

 さらに、心愛さんと結愛ちゃんは、一時保護を経て帰宅した後に死亡した再虐待の被害者だとして「児相は『貧困、DVがある』というリスクではなく、『どういう支援でこの家庭を救えるか』というニーズアセスメントのスタンスが必要」と主張。「体罰がエスカレートして虐待に至る。親が回復しなければ子どもは返せない。家庭裁判所が両親と面談し、回復プログラムの受講を促す仕組みづくりが必要だ」と訴えた。


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