悩み共有できる場を 千葉市若葉区の沼倉さん LGBTQ家族会を設立

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笑顔も見せながら、会立ち上げへの思いやこれまでの苦労を語る沼倉さん=千葉市若葉区
笑顔も見せながら、会立ち上げへの思いやこれまでの苦労を語る沼倉さん=千葉市若葉区

 LGBT(性的少数者)の子どもやその保護者が気軽に悩みを共有できる場をつくろうと、千葉市若葉区の作業療法士、沼倉智美さん(41)が家族会「ちばLGBTQフレンズ」を立ち上げた。自身も性同一性障害の子どもを持ち、心の性に見合った制服を着せるため入学予定の中学校と交渉した経験がある。8日、県内中学校での事例を紹介する学習会を同区内で開く。

 LGBTQはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)、クエスチョニング(どちらの性か決められない)の頭文字を取った言葉。同会は当事者やその家族らが集まり、気軽に相談し合える場づくりを目指している。

 沼倉さんが同会を立ち上げたきっかけは、中学校への進学を来春に控える一番上の子ども(12)の存在だ。子どもは女性として生まれたが、心と体の性が一致しない性同一性障害であることが幼児期に判明し、現在は男性として生活。同障害を小学校や保護者会にも公表し、校内では身障者用トイレの利用を認められるなどの配慮を受けている。外見や心は男性、体は女性のため、男子用トイレも女子用トイレも使えないからだ。

 「女の子の格好は嫌だ。男になりたい」。子どもが心の性を主張し始めたのは2歳半のころ。当初は「まさかうちの子が」と半信半疑だった沼倉さんだが、家族が理解を示す様子も見て徐々に受け入れていった。「本人が小学校に上がるころには覚悟が決まっていた」と笑顔を見せる。

 小学校は私服通学のため苦労はほとんどなかったが、中学校は男女で制服が分かれる。私服で通える学校も検討したが、子どもは理解ある友人に恵まれたこともあり地元中学への進学を希望。沼倉さんは学校側と約1年間交渉を続けた。当初は学校側も前例のない申し出に面食らい戸惑ったようだが、6月にようやく「男子の制服を着て良い」との理解を示した。

 沼倉さんは1人で臨んだ交渉の苦労を振り返り「学校のトイレや制服問題で悩む当事者や家族は多いはず。同じ立場の家族と話し合える場所があれば行動しやすくなる」。同会設立に託した思いを口にした。

 子どもは「男の制服で中学に通える。新しい友達をたくさんつくりたい」と期待に胸を高鳴らせる一方、「受け入れてくれる人がどれだけいるかな」と心に秘めた不安も吐露。沼倉さんは「成長するにつれ乗り越えなきゃいけないことが増える。同じ年代や立場の子と出会うことが子どもの心の支えになれば」とも願い、当事者たちの参加を呼び掛ける。

 活動の第1弾として8日午後2時から、若葉区保健福祉センターで学習会を開く。約12年前に中学校で性同一性障害の生徒の制服変更に携わった現柏市立西原小学校教頭の中光理恵さんを招き、当時の体験やLGBTの子どもへの配慮について語ってもらう。

 沼倉さんは「学習会は当事者や家族だけでなく、教育関係者や理解を深めたい人など誰でも歓迎。まずはLGBTQを知っている人を増やし、理解を広げたい」と期待する。参加費500円。申し込みは沼倉さん(電話)090(4171)0500。