房総通リズム春の観光特集2024

還暦「キハ28」修繕へCF開始 「鉄道パーク」構想への第一歩 いすみ鉄道の保存車両 レストラン列車でも活躍

いすみ鉄道国吉駅に動態保存されている「キハ28 2346」。クラウドファンディングで修繕費用を募る=いすみ市
いすみ鉄道国吉駅に動態保存されている「キハ28 2346」。クラウドファンディングで修繕費用を募る=いすみ市
さびで車両塗装が剥がれた箇所を指さす鈴木さん
さびで車両塗装が剥がれた箇所を指さす鈴木さん

 一昨年に定期運行を終え、走行可能な状態を維持した動態保存中のいすみ鉄道の車両「キハ28 2346」を観光に活用しようと、鉄道関係者らが立ち上げた任意団体が修繕費用を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。3月29日までに1千万円が目標。車両が置かれている駅に、運転体験もできる「鉄道パーク」(鉄道観光施設)を整備する構想を持っていて、車両修繕はその第一歩だ。

 キハ28は国鉄時代に急行用として造られたキハ58系車両。1964年に製造されて主に山陰・北陸地方を走行した後、2012年にいすみ鉄道に譲渡され、走行する車内で食事を楽しむレストラン列車となった。昭和のレトロ車両は人気を博したが、車両検査費用の捻出や部品の確保が困難になったことから、キハ58系最後の現役車両として鉄道ファンらに惜しまれつつ引退。いすみ鉄道の国吉駅(いすみ市)の側線で動態保存されている。

 還暦を迎えた車両は、12年に塗装された朱色とクリーム色のオリジナルカラーが色あせて剥離し、車体上部の雨どいが腐食して所々穴があき、車体全体にさびが発生。幸いにして雨漏りはなく、車両内部はきれいなままだが、保存していくには大規模な修繕と再塗装が必要な状態になっている。

 「鉄道黄金期に一番活躍した時代を代表する車両で昭和の産業遺産。鉄くずにしたくない」。御宿町で建設会社を営む傍ら、いすみ鉄道のイベント企画などに携わる鈴木和之さん(50)が代表となり、鉄道関係者らと共に「いすみ鉄道気動車保存会」を設立。経営が苦しい同鉄道に代わってキハ28を保存活用していく第1弾として、車両修繕のためのCFに挑戦することにした。

 「キハ28が走ると懐かしがって全国からお客さんが来てくれる。夷隅地域の観光の一翼を担えるだけの価値がある」と鈴木さん。車両を守る屋根の設置や昭和の雰囲気が漂うプラットホームへの改修なども計画していて、車両の魅力を生かした観光施設「鉄道パーク」を誕生させて、地域活性化につなげたい考えだ。

 詳細はCFサイト「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/kiha285230)。


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