「5つ星」のおもてなし 心配り、源泉100%の湯評判 宿 中屋(鴨川市)【ちばの元気企業】

「人気温泉旅館ホテル250選」の認定証を掲げる8代目の中田女将=鴨川市
「人気温泉旅館ホテル250選」の認定証を掲げる8代目の中田女将=鴨川市
中田女将が客室に置いている手紙。「5つ星」のおもてなしでお客を出迎える
中田女将が客室に置いている手紙。「5つ星」のおもてなしでお客を出迎える

 敷地内から湧き出す源泉100%の温泉や房総の海の幸をふんだんに使った料理などが評価され、旅行業者が選ぶ本年度の「人気温泉旅館ホテル250選」(観光経済新聞社主催)に選出。5年連続で入選し、県内で2軒目となる「5つ星の宿」に認定された。江戸期から続く「おもてなし」の心を守り、コロナ禍の厳しい状況下にあっても、お年寄りから子どもまで幅広い世代に愛され続けている。

 前身の「中屋旅館」は、物見遊山の隆盛に伴い、江戸後期の天保年間に創業。旅人宿として親しまれた。1974年には「ホテルニューナカヤ」と名を改め、見晴らしの良い現在の城崎(しろさき)海岸前に新築移転した。

 東日本大震災を経て、老朽化が進んでいた宿を徐々にリニューアル。大宴会場をなくして個室風の食事処(どころ)にしたり、2階の角部屋を美しい夕日が望めるラウンジにしたりと、老舗旅館は時代のニーズに合わせたモダンな空間へと生まれ変わっていった。

 数ある旅館やホテルの中で、中屋はなぜ「5つ星」に選ばれたのか。転機は2002年。8代目女将(おかみ)の中田淳子さん(67)の父が掘った敷地内の井戸を改めて掘り進めて調査したところ、天然の温泉が湧き出てきた。「ちょうど父が亡くなり、つらい時期だった。温泉が出たときは本当にびっくりした」と女将。「天津小湊温泉 城崎の湯」と名付けた温泉は、柔らかな肌触りと体の芯から温まる心地よさが特徴で、宿泊客から「中屋の温泉に入ると一年風邪ひかない」と言われるほど評判になった。

 女将の誠実さときめ細やかな心配りも一流だ。日課は、予約があった全ての客室に手書きのメッセージを置くこと。お客様アンケートに書かれた要望は真摯(しんし)に受け止め、すぐに改善させてきた。女将は「お客さまでしか分からない部分もあるので、勉強になる」。約180年前から続く「おもてなし」の心は、令和の時代になっても脈々と受け継がれている。

 コロナ禍という逆風にさらされても、女将は「大変なときこそ、色んなことを教えてもらっている」と前向きに語る。「5つ星に恥じないよう、快適で安全安心な宿として、お客さまの思い出づくりに一役買えたら幸せです」

◆メモ

◇住所=鴨川市天津3287

◇代表者=中田弘治社長

◇問い合わせ=(電話)04(7094)1111


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