働きがい求め意識改革 工建設株式会社代表取締役 中嶌秀雄氏 【夢シティちば経営談話室ダイジェスト】

 総合建設業として道路、橋梁、下水道などのインフラ整備や大規模な土木工事を手がける工(たくみ)建設は1949年、山梨県で創業。その後、拠点を東京へ移し、南房総地域の護岸工事などが増えたことから69年には千葉市に本社を置き、昨年70周年を迎えた。

 4代目の中嶌社長は40年前に入社以来、代表取締役に就任するまで工事担当として現場ひと筋。「同僚たちは映画『黒部の太陽』に憧れて建設業界に入っている。当時は人気の業界だった」と振り返る。入社後、習志野市の下水工事、幕張新都心の浜田川橋梁などを造っていた頃はとにかく忙しかった。国道の整備では図面片手に沿道の民家1軒1軒に歩道切り下げの許可を取って回るなど、国交省と住民との調整役も経験。近年では考えられないが当時は夜間に工事、昼間は住民対策と、「働き方改革」と真逆のハードワークだった。

 多くの同業者は「現場が完成した喜びが一番大きい」と言うが「私は造っている最中が楽しい。チームで段取りを組み、工夫を積み重ねて、ものを造る過程が好き」と笑顔を見せる。

 昨今は業界全体の労働力不足と、若者を確保できないことが一番の悩み。ただ「土木専攻の学生の多くが官公庁や大手企業に流れるが、当社の規模の施工会社なら、入社数年で所長として予算管理ができ、個人商店的に采配できる。新人でも一つの現場を最後まで見届け、ものづくりの過程をしっかり把握できるはず」と力を込める。

 だからこそ今後、目指すのは「働きがいのある会社」づくり。入職希望者はもちろん、今いる社員が確実に働きがいを持てるよう、社員の意向をしっかりとくみ上げることに心を砕く。「社員数21人と少ないからこそ、一人一人が何を求めているか、特に若手の意見に耳を傾け、フォローしていきたい」。そのために自らも含め中堅やベテラン社員の意識改革に取り組んでいる。

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 毎月10日に発行している千葉商工会議所の会報誌「夢シティちば」で千葉日報社が記事制作を担当する連載企画「経営談話室」。インタビューの一部をダイジェスト版で紹介する。

 なかじま・ひでお 1956(昭和31)年5月26日、山梨県生まれ。神奈川県の大学卒業後、工建設株式会社入社。以来、土木・建設現場を担当し、2013(平成25)年、4代目の社長に就任し、現在に至る。

 工建設株式会社
千葉市中央区南町2-13-12
(電話)043(265)5551


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