千葉ラーメンの達人たち

■プロフィール
山路 力也(やまじ・りきや)
フードジャーナリスト・千葉拉麺通信主宰。著書にラーメンマップ千葉6など多数。千葉市在住。


地元の恵みふんだんに URA963(船橋市本町)

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 江戸時代には徳川家の御菜浦(おさいうら)として、多くの魚介類を献上する豊かな漁村だった船橋。そして今でも東京湾の中で貴重な干潟として、撒き網や底引き網漁業、貝や海苔の養殖などで賑わいをみせている。そんな海の恵みを生かしたラーメンを提供しているのが昨年11月にオープンした「URA963」だ。

 ご主人の黒川裕士さんは人気店での修業を経て2009年に独立。お酒も楽しめる店を作りたいと船橋に「らーめんBAR963」を立ち上げ人気を博した。本店から歩いて数分のところにオープンしたこちらは、店名通り裏路地にあるお洒落なスポット。本店とは違った味とメニューで早くも評判を集めている。

 黒川さんが地元船橋の食材で注目したのが「ホンビノス貝」。今から15年程前に幕張で見つかった外来種は別名大アサリとも呼ばれ、ここ数年は船橋三番瀬でアサリ以上に収穫量がある。黒川さんはホンビノスの美味しさを引き出したいと、他の動物系素材は使わずにスープを仕上げた。具も酒蒸しにしたホンビノスをたっぷりと乗せて、貝の濃厚な旨味をどっしりと鎮座させている。上品なお吸い物のようでいて、しっかりとした存在感も併せ持つ新しい味わい。ランチタイムはもちろん夜のバータイムでも飲んだ後の締めにと来る客は後を絶たない。

 貝の旨味を主役に据えたラーメンはありそうで意外に少ないもの。地元愛にあふれた深みのある一杯は必食といえよう。

 【交通】JR・京成船橋駅より徒歩5分。電話047(498)9909