忙人寸語

2010年5月14日

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▼世界保健機関(WHO)の発表によると、2008年の男女合わせた日本の平均寿命は、前年と横ばいの83歳。欧州の小国サンマリノと並び首位を維持した
▼世界の平均寿命は71歳。経済・社会の安定に加えて、食糧事情や医療など、ある程度の生活水準が確保されていなければ長寿国にはなれない。平均寿命だけをとれば、日本は世界に誇れる生活大国
▼ところが、政府が今年初めて実施した国民の「幸福度」意識調査からは、長寿国とは不相応な実態が浮き彫りになった。「自分は幸せ」と感じている人の割合は、30代の61%をピークに低下。70歳以上は44%しかいない
▼同様の調査を実施している欧州諸国よりも低く、幸福度を高めるために政府に求めることは「安心できる年金制度の構築」「安心して子どもを生み育てられる社会」「雇用や住まいの安定確保」など
▼高齢者の半数以上が幸福と思えずに暮らす先進国には、一朝一夕には解決しがたいさまざまな課題が横たわる。官民ともに経済と社会の発展を目指して利便、利益、効率をひたすら追求してきた路線が間違いとはいえないが、ひずみは顕著になっている。自殺者は12年連続で3万人を超えた
▼価値観は人それぞれだが、経済指標だけが上向いても幸福度はおそらく向上しない。求められているのはほどほどの生活と心の豊かさ、ぬくもりを感じられる社会だろう。

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