中谷順子選 【日報詩壇】

真冬の飛蝗 船橋 鈴木久吉

人間の世は いま
小正月 寒いさかり
湧いたのか 日向に飛蝗が

遅すぎた真冬の飛蝗よ
せめて晩秋だったなら
まだ落穂もあったろうに
早すぎた真冬の飛蝗よ
せめて早春だったなら
もう餅草は出ていたろうに

触れれば ゴムのような
跳べな ・・・

【残り 1290文字】



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