2025年9月25日 05:00 | 有料記事

水墨画のイラストが掲載されたページ。

『黒パン俘虜絵日記 太平洋戦争・現世に地獄を見た男』。
旧ソ連によるシベリア抑留を体験した為我井正之さん(故人)=生前は千葉市在住=作の絵日記が「黒パン俘虜(ふりょ)絵日記 太平洋戦争・現世に地獄を見た男」として復刻された。編集を担った秋本美智子さんは「終わってからも理不尽に続いた戦争の残酷さが、絵を通して伝わってほしい」と期待している。
(剣山遊)
為我井さんは絵日記でシベリアでの3年間を記した。両親とはぐれて泣いていた戦災孤児の姿、シベリアでの木材伐採作業、当時のソ連のトイレ事情など、さまざまな出来事や風景がイラストで表現されている。
抑留の生活は過酷で、絵日記を通し極寒の中、塩のない食事や水不足に直面した日本兵の苦しみを体験できる。為我井さんは抑留の間に激しく衰弱。出征前に85キロあった体重は、帰国時には45キロ ・・・
【残り 482文字】