2025年6月10日 05:00 | 有料記事

千葉県立高に入学し「学校生活は楽しい」と話す男子生徒(左)と母=5月、県内の自宅
昨年春に定員割れの千葉県立高校を受験し定員内不合格となりながらも諦めず、昨年秋に県立高校へ合格した県内在住でダウン症の男子生徒(16)がいる。彼は小中学校時代に普通学級で学び、周りの友人と同じように高校への進学を望んだ。一度は道を絶たれた。それでも、居場所を見つけた今は充実した日々を送っている。「学校は楽しい」。男子生徒の母親(54)は「どんな子も困らずに楽しく学べる環境を作ってほしい」と願っている。(井田心平)
◆みんなと同じように
息子が普通学級に通った小中の9年間を「障害があると『どうして支援学級を選ばないのか』と聞かれるが、障害の有無は関係なくみんなと同じように学ばせたかった」と母は振り返る。
母は息子の知的なハンディを受け入れ、授業は先生の話を聞くだけで良いと考えていた。しかし、周りの友達がノートを取っている姿を見て、気付けば彼も自主的にノートを取るように。名前だけ書いて提出することが多かった宿題も、友達が回答を記入して提出していることに触発され、小3のころには自ら宿題に取り組んで提出できるようになった。
◆突き付けられた現実
普通学級で友達に囲まれながら一歩ずつ成長していった彼が、高校への進学を目指すのは当然の流れだった。しかし、昨年春に定員割れの県立高校を3校受験し、全て不合格 ・・・
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