精密医療進化へ研究 「ランクス」の働き発見 多様な作用点をもつ新規がん治療コンセプトの確立をめざす 千葉県がんセンター研究所・発がん制御研究部長 上久保靖彦 【9月はがん征圧月間 ちば がんにうち克つ】(15)

 現在主流となっている精密医療では、患者さんのがん固有の遺伝子異常を解析し、分子標的薬の選定を行いますが、がんに合う薬を選定できる確率は、いまだ10%程度であり、充分とは言えません。当研究部は部長の専門である白血病だけではなく、消化器がん、呼吸器がん、脳腫瘍(しゅよう)、小児がんまで幅広く研究対象を広げて、精密医療をさらに進化させた治療法を開発すべく基礎研究を行っています。

 ランクス(RUNX1,2,3)という遺伝子群(図)は、ほぼ全てのがんにおいて、約30%の高発現カテゴリーを有し、がん細胞自身の増殖を促進するだけではなく、転移環境を整備し、がんの転移を促進したり、がんに対する免疫監視の弱体化など、生体環境や免疫細胞にも多様な作用点で、 ・・・

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