ビワ農地にレモン導入 「木飛んだ」傾斜地で栽培 南房総・南無谷地区の挑戦 【房総半島台風6年】(下)

果実の出来栄えを確かめる南房総なむやレモン研究会の鎌田会長。南無谷では酸味と香りのバランスが良く、とげの少ない品種「ユーレカ」を主力としている=7日、南房総市
果実の出来栄えを確かめる南房総なむやレモン研究会の鎌田会長。南無谷では酸味と香りのバランスが良く、とげの少ない品種「ユーレカ」を主力としている=7日、南房総市

 千葉県の特産果樹「房州びわ」の産地、南房総市。地元の農家が里山の傾斜地などで育てたビワは皇室に献上されるなど、伝統に裏打ちされた最高級品と名高い。だが、2019年9月9日の房総半島台風で多くの樹木が被害を受けた。復旧するにも、ビワは苗木を植えてから本格的な収穫まで約10年かかる。そこで、同市富浦町南無谷では新品目として、5年ほどで収穫できるレモンの生産に着手。昨秋に実りを迎え、新たな特産品として軌道に乗り始めている。

 「根ごと飛ばされた」。ビワ農家で、南房総なむやレモン研究会の鎌田清明会長(59)は途方に暮れた6年前を振り返る。周囲の風よけの木も当然のように倒れ、その中のビワ園も影響は免れなかった。「ビワの木が飛ばされていた。特に山の ・・・

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