2025年9月13日 09:51 | 無料公開

有機フッ素化合物(PFAS)
一部で発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)を巡り、代表物質の一種PFOAを扱っていた大手化学メーカー「ダイキン工業」が2000年代初頭〜15年ごろ、PFOAと接する業務にあった従業員に血液検査をしていたことが13日、関係者への取材で分かった。米学術機関指針値の500倍以上となる濃度も検出したが、健康への影響は確認していないという。
PFASを扱う国内メーカーで血液検査の実施が判明したのは初とみられる。国は血中濃度の基準策定について、知見が不十分で困難としているが、環境省は「公表されればPFASに係る研究への活用が検討できるのではないか」とした。
同社淀川製作所がある大阪府摂津市は20年、地下水に国の暫定目標値を大幅に上回るPFASが含まれることが判明。京都大などによる住民の血液検査では、中央値で1ミリリットル当たり24・2ナノグラムを検出した。
同社は取材に「人体への蓄積が健康に及ぼす影響が未解明な部分が多い中、対応の検討を続けています」と回答した。