パンの耳でクラフトビール 食品ロス削減に老舗が挑戦

パンの耳を使ったクラフトビールの商品を手にする栄屋製パンの吉岡謙一専務=1月、神奈川県海老名市

 神奈川県海老名市の老舗ベーカリー「栄屋製パン」が廃棄されるパンの耳を使ったクラフトビールの製造に取り組み、食品ロスの削減につながると注目を集めている。パン由来のコクと酸味がかったテイストが特徴で、飲食店での取り扱いも増加。同社は「不要とされたものを価値のある商品に生まれ変わらせることができれば、作り手も報われる」と強調する。

 市内の倉庫を改造した醸造所で1月、麦汁の仕込み作業が行われていた。麦芽と湯を混ぜ合わせている大きな釜に、醸造長が細く切りオーブンで乾燥させたパンの耳を投入。高温で煮込むと香ばしい匂いが漂った。ろ過して発酵タンクに移し、1カ月前後熟成すると完成する。

 1923年創業の同社は主に業務用パンを製造しており、サンドイッチ用パンの需要も多い。製造過程で切り落としたパンの耳は1日400キロほどになり、飼料として畜産農家に引き取ってもらっている。吉岡謙一専務(56)は「手間をかけて作ったもの。やるせない思いだった」と話す。


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