60代男性重症化、肺機能に障害 自宅療養者へのアビガン処方問題 因果関係を追及、訴訟も視野に いすみ

新型コロナ感染で肺に障害が残り、酸素ボンベを抱える男性=21日、いすみ市
新型コロナ感染で肺に障害が残り、酸素ボンベを抱える男性=21日、いすみ市

 いすみ医療センター(いすみ市)の新型コロナウイルス対策アドバイザーだった男性医師が昨年8~9月、新型コロナウイルスに感染した自宅療養者98人に未承認の抗ウイルス薬「アビガン」を処方した問題で、アビガンを服用した同市の60代男性が21日、千葉日報社などの取材に応じた。男性は重症化して呼吸器機能に障害が残り、日常生活に酸素ボンベが必要な状態になっている。アビガンに起因するものかは不明だが、男性は「因果関係がつかめれば責任を問いたい」と、訴訟を視野に詳細な診療記録の開示を求めるなどしている。

 男性によると、40度近い発熱があった昨年8月16日、自分で車を運転して医療センターに行きドライブスルー方式でPCR検査を受け、陽性が判明した。帰宅後、一緒に処方された漢方薬とともにアビガンを1回8錠飲んだ。

 服薬しても発熱が続き、毎日ドライブスルーで受診。男性医師からウイルス量が減っているとして「大丈夫、大丈夫だ」と言われたが熱が下がらず、同22日になって鴨川市内の病院へ救急搬送され9月14日まで入院。意識不明になり集中治療室(ICU)に入ったこともあった。

 現在月1回の受診や週2回のリハビリを行っているが、肺機能に障害が残り酸素ボンベを常用。3級の身体障害者手帳の交付を受けた。男性医師は問題発覚後の昨年12月の記者会見で「(アビガンを処方した)全員が元の生活に復帰する経過をたどっている」と話していた。

 男性はアビガンを2回にわけて90錠近く処方されたとし、救急搬送された際に飲み残した2錠があった。高熱が続いたこともあり「アビガンについて説明を受けたのか記憶がない」。処方を受ける同意書の控えは手元になく「薬を信じてとにかく早く飲まないといけないと思った」と振り返る。

 男性医師に対して「もっと早く入院させてもらえれば重症化しなかった。謝罪してもらいたい」と話し、因果関係を明らかにするため訴訟を検討する。

 医療センターは現時点で「新型コロナの症状が悪化したものか、アビガンで重症化したのか原因は分からない」としている。


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