2021年5月8日 19:55 | 有料記事

3号突堤とその付近の水深。青で示した箇所では測量時に深さが2メートル以上あった(水難学会提供)
千葉市美浜区のZOZOマリンスタジアム近くにある人工海浜「幕張の浜」で、水難死亡事故が4年続けて発生した。いずれも現場は立ち入り禁止区域の突堤付近。昨秋、実際に現場を調査した水難事故を研究する「水難学会」の斎藤秀俊会長(58)=長岡技術科学大学大学院教授=は「突堤は危険度が高い。立ち入り禁止を強く周知する必要がある」と警鐘を鳴らす。海で遊ぶ機会が増える夏を前に、対策の徹底が求められている。
千葉西署などによると、今年の事故は大型連休中の2日に発生。浜から沖に伸びる長さ約250メートルの突堤から海に飛び込んで遊んでいたとみられる男性会社員(19)が行方不明となり、海中から遺体で発見された。当時の現場の天候は曇り。気温は17度。風速は西の風14メートルだった。
この突堤付近では2018~20年にも、高校生が死亡する水難事故が3年続けて発生し、計4人が死亡。昨年の事故後、突堤には立ち入り防止のフェンスが設置されていた。昨年10月に現場調査した斎藤会長は「対策が実施された後に同様の事故が起きてしまい残念」と顔をしかめる。
斎藤会長によると、突堤付近には水深2メートル以上の場所が点在しており、「過去3年の事故はいずれも水深2メートル以上の場所で起きている」と説明。さらに、事故が起きた時の共通の条件として「風が強く吹き波が立つ。そして海に飛び込みたくなるような暖かい気 ・・・
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