千葉文学賞に東野さん 児童・大谷さん 随筆・山崎さん 三賞最終選考

  • LINEで送る

候補作を厳正に審査する選考委員ら=14日、千葉市中央区のホテル
候補作を厳正に審査する選考委員ら=14日、千葉市中央区のホテル

 2020年度千葉文学三賞(千葉日報社主催、千葉県・県芸術文化団体協議会後援)の最終選考会が14日、千葉市中央区のホテルで行われ、第64回千葉文学賞に船橋市の自営業、東野あゆみさん(62)の「ソーダアイスキャンディー」、第62回千葉児童文学賞に山武市の会社員、大谷八千代さん(43)の「あたたかな家出」、第15回千葉随筆文学賞に市原市のフリーライター、山崎久美子さん(57)の「欺きと涙のゲームセット!〈変装録〉」が選ばれた。(受賞者名はペンネーム優先)

 最終選考会には、大野彩子(文芸サークル代表)、大原祐治(千葉大教授)、佐藤毅(江戸川大名誉教授)、松島義一(元文芸誌編集者)、山本鉱太郎(旅行作家)の5氏が出席。文学賞7編、児童文学賞4編、随筆文学賞5編を厳正に審査した。

 文学賞の東野さんの作品は、いつも悪口ばかりを言う母親を嫌う主人公の子ども時代を描いた物語。姉と祖父母の家に預けられた際に起きた出来事から、母親の境遇や人間像を理解し、シンパシーを抱く過程を平易な文章でテンポ良くつづった。印象的なクライマックスシーンを盛り込むなどの構成力が受賞につながった。

 児童文学賞の大谷さんの作品は、母親との関係性に悩む小学生の娘が祖母の元へ家出し、一日過ごす中で母親の子ども時代を知り、自身との関係性を見つめ直す物語。「五右衛門風呂」や「かまど」など懐かしい昔の物が全体に取り込まれていてあたたかみがあり、主人公の心情をいきいきと魅力的に描いていると称賛された。

 随筆文学賞の山崎さんの作品は、親に対し「学校立ち入り&部活の試合見学禁止令」を出す娘の中学最後のテニスの試合を、変装してこっそりと見に行く母親の姿をつづっている。反抗期の娘の母親視点を、ユーモアあふれるコミカルなタッチで表現した点が評価された。

 授賞式は26日に千葉日報社本社で開かれ、賞状と賞金(文学賞30万円、児童文学賞・随筆文学賞各10万円)が贈られる。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、授賞式は個別授賞の形で執り行う。受賞作は後日、本紙に全文掲載する。