千葉県内867事業場で法令違反 残業過労死ライン越えも 働き方改革進まず 千葉労働局

 千葉県内の867事業場で労働基準法などの法令違反があったことが、千葉労働局がまとめた2019年度監督指導結果で分かった。1カ月当たり200時間を超える「違法な時間外労働」も8事業場で確認され、働き方改革が推進されてもなお過酷な労働環境が改善されていない現状が浮かび上がった。

 同労働局によると、長時間労働に関する情報提供や過労死などの労災請求があった1006事業場を対象に監督指導を行った。法令違反が確認された867事業場のうち、最も多かった違反内容は「違法な時間外労働」で、約68%に当たる592事業場に是正勧告書を交付したという。

 過労死ラインとされる1カ月80時間を超える「違法な時間外労働」があったのは、269事業場(45・4%)。うち1カ月100時間以上は171事業場(28・9%)、150時間以上は40事業場(6・8%)、200時間以上も8事業場(1・4%)に上った。

 労働者が時間外労働をする際、事業主と労働組合などの間で締結する「36協定」の届け出が義務付けられている。36協定では、時間外労働を行う業務の種類や上限時間などを取り決めることが条件。同労働局の担当者は「そもそも36協定を締結していないケースも多い。内容を順守しない事業場も法令違反になる」と警鐘を鳴らした。

 この他に目立った違反は「長時間労働者に対する健康障害防止措置の未実施」で、対策が不十分な事業場と合わせて約64%に当たる554事業場へ改善を呼び掛けた。

 労働者の心身の健康を守るため、1カ月80時間以上の時間外労働が確認された場合、産業医による面接指導を行う必要がある。同労働局は、適切に面接指導が行われるまでの仕組みを整備するよう指示したという。

 長時間労働の改善には、「労働時間の適正な把握が必要」と同労働局の担当者。管理職による出退勤の目視と合わせてパソコンの使用時間を記録するなど、客観的なデータに基づいた把握を推奨している。

 法令違反があった事業所を業種別にみると、商業が194事業場と最も多く、製造業160件、運輸交通業が113件と続いた。

 同労働局の担当者は「労働環境の是正に向け立ち入り調査を強化し、具体的で適切な指導をする」と話した。


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