千葉文学賞に相羽さん鳥光さん 児童藤田さん 随筆ぴよ子さん 三賞最終選考

候補作を厳正に審査する選考委員たち=16日、千葉市中央区のホテル
候補作を厳正に審査する選考委員たち=16日、千葉市中央区のホテル

 2019年度千葉文学三賞(千葉日報社主催、千葉県・県芸術文化団体協議会後援)の最終選考会が16日、千葉市中央区のホテルで行われ、第63回千葉文学賞に浦安市のフリーライター、相羽亜季実さん(44)の「いのちの時間」、松戸市の予備校講師、鳥光宏さん(60)の「おばーのゲルニカ」が選ばれた。第61回千葉児童文学賞には市原市の会社員、藤田新吾さん(60)の「おばあちゃんのひまわり」、第14回千葉随筆文学賞に船橋市の会社員、ぴよ子さん(28)の「二等賞の誇り」が選出された。(受賞者名はペンネーム優先)

 最終選考会には、大野彩子、大原祐治、佐藤毅、松島義一、山本鉱太郎の5氏が出席。千葉文学賞7編、千葉児童文学賞4編、千葉随筆文学賞5編を厳正に審査した。

 千葉文学賞は2作品が同時受賞。相羽さんの作品は、人手不足の食堂に面接に来た盲目の女性が、料理の才能を認められ店主らと共に奮闘する物語。味を文字化するという難しい課題をクリアしているところが受賞につながった。鳥光さんの作品は、大学進学のため沖縄に移住した若者が、アパートを経営する“おばー”との交流から、人生観を見つめ直す姿が描かれている。色彩の表現が優れており、戦争や基地問題といったテーマに、ピカソの「ゲルニカ」を重ねる手法に称賛の声が相次いだ。

 千葉児童文学賞の藤田さんの作品は、毎年お盆に祖母の家を訪れるミホちゃんが、生活の中のさまざまな異変から「死」を見つめる物語。児童文学では扱いにくいテーマを取り上げ、気持ちよく描いている点が評価された。

 千葉随筆文学賞のぴよ子さんの作品は、学習サポーターとして働くなかで出会った子どもとの関係を通し、自身が抱く葛藤に向き合う様子をつづった。登場人物の生き生きとした描写や素直な文章に好感が寄せられた。

 授賞式は29日に千葉日報社本社で開かれ、賞状と賞金(文学賞各15万円、児童文学賞・随筆文学賞10万円)が贈られる。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、授賞式は個別授賞の形で執り行う。受賞作は後日、本紙に全文掲載する。


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