2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

特養一時“陸の孤島” 1階に泥水、道路分断 利用者非常食でしのぐ 長柄 【房総豪雨】

浸水した施設内で泥水の掃除に追われる職員ら=26日午後3時20分、長柄町鴇谷
浸水した施設内で泥水の掃除に追われる職員ら=26日午後3時20分、長柄町鴇谷

 25日の記録的な大雨の影響で、長柄町鴇谷にある特別養護老人ホーム「ほしの郷(さと)」では1階が浸水する被害を受けた。居室20部屋や調理室などに入った泥水は床上約20センチにもなり、施設の利用者は2階への避難を余儀なくされた。施設につながる一本道は土砂と倒木で寸断。一時孤立状態にもなった。施設を運営する社会福祉法人の増田千明理事(48)は「想像を超える被害だった。いつ元通りになるか分からない」とため息をついた。

 増田理事によると、25日午前11時には浸水し始め、6時間後に水は引いたものの、1階全体が泥まみれに。施設は樹木に囲まれており、幹線道路につながる道では土砂崩れが起こり、一時「陸の孤島」となった。職員と施設の車の多くは水に漬かり使えなくなった。

 利用者の避難には外の水かさが増した段階でエレベーターを利用したが、その後故障し、職員が利用者を担ぐなどして移動。利用者の多くは持病や認知症があり、職員は介護のため後片付けに専念できない状態だという。床下にはいまだ水が残る部分もあり、増田理事の家族も協力して掃除している。

 木製の床は水を吸い込み腐食や菌が繁殖する恐れもあり、全て張り替えねばならない。衛生面を考慮して、調理器具の多くも買い替えるという。居室の1台25万円ほどする介護用電動ベッドも全て水に漬かってしまった。

 浄化槽が壊れて今もトイレは流せない状態が続き、食事は非常食のみの提供となった。長南町内にある系列施設へ利用者39人を移動させることに。ただ、この施設もトイレが故障しており、部屋が足りず相部屋でしのぐ可能性もあるという。

 施設内には泥の臭いが広がり、慣れない作業に職員も混乱している。長生地域では浸水などの被害が広域で発生しており、茂原市などで被災した職員もいる。復旧作業の計画や金額も見通せず、増田理事は「台風15号と19号より大きい被害。どこから手をつければ良いのか」と天を仰いだ。


  • LINEで送る