猛烈台風備え急げ 被災県民「また家壊れる」 自治体、避難所や土のう用意 

台風19号の直撃に備え、市民が使う土のうを準備する市原市消防局の職員=9日午後、市原市妙香
台風19号の直撃に備え、市民が使う土のうを準備する市原市消防局の職員=9日午後、市原市妙香

 大型で猛烈な台風19号が今週末、日本列島に接近する可能性が高まっている。9月の台風15号による被害から1カ月となった千葉県内では9日、19号に備えて自治体が避難所の開設を検討したり、土のうの準備などで警戒を強化。15号で被災した県民からは「また台風が来たら家が壊れてしまう」と不安の声も上がった。

 台風19号の接近時の勢力は、県内に大規模停電などの被害を及ぼした台風15号に匹敵すると予想されている。

 台風15号では一時県内最大の停電が発生し、3千戸以上の住宅被害が確認されている市原市。9日は台風19号の襲来に備え、市消防局の職員が南総終末処理場の敷地内で市民に提供する土のう作りを行っていた。

 10日も作業を続け、計2千袋の土のうを用意する予定。土のうは各消防署などを通じてブルーシート、ロープとともに市民に配布している。

 市川市でも10、11日、大洲防災公園に土のうを無料で提供する「土のうステーション」を開設する。ステーションでは2千袋が用意されており、市内各所にある「地域型小規模土のうステーション」の土のうを、必要に応じて使用することも可能だという。市河川・下水道管理課は降雨前の早めの準備を呼び掛けている。

 印西市では土砂災害に備えて、市内10カ所に特別避難所の設置を予定し、八街市でも市内全域に避難所の開設を検討しているという。ほかにも避難所開設の準備を進める自治体があり、酒々井町の担当者は「前回(台風15号)は避難所は1カ所のみだったが、今回は複数の開設も念頭に置きながら対応していきたい」としている。

 9月の台風で被災した県民も危機感を強めている。2階建ての自宅の屋根瓦が飛散し、1階部分まで雨漏りしたという市原市の農家、森政己さん(57)は「業者も修理に来られず、自分たちで屋根に登りブルーシートを張った。今でも後片付けに必死なのに、また台風が来たら家が壊れてしまう」と嘆いた。

 75歳の夫、40代の息子と暮らす同市の女性(74)は、自宅の屋根瓦が半分以上飛ばされ全体をシートで覆っている。9日朝には、台風19号に備えて夫と屋根に土のうを積む作業をした。「息子は食料品店勤務で台風でも休めない。再び台風が来るまで2人で準備しないと」と話した。

 台風15号で2千戸を超える住宅被害が出た鋸南町。自宅の屋根が飛ばされ、部屋が水浸しになったという縫製業、多田佐恵子さん(69)は停電に備え、キャンプ用の電灯を用意した。「また来るなんて踏んだり蹴ったり」とため息をついた。


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