罹災証明発行進まず 現地調査の職員不足 家屋被害1万8千戸、千葉県外から応援も 【台風15号】

罹災証明書などの申請に訪れた住民=25日午後1時30分ごろ、館山市役所
罹災証明書などの申請に訪れた住民=25日午後1時30分ごろ、館山市役所

 台風15号で多数の家屋被害が出た県内の自治体では、人手が足りず公的支援を受ける際に必要な罹災(りさい)証明書の発行が遅れている。県内の家屋被害は25日時点で約1万8千戸。県外から職員の応援を受ける自治体もあるが、発行には時間がかかる見通しで、生活再建の足かせになりそうだ。

 屋根瓦が飛ばされるなどの被害が多発した館山市では25日、罹災証明などの申請をするため、多くの住民が市役所に詰めかけた。市は24日から証明書を交付するための現地調査を始めたばかり。応援で川崎市の職員31人が調査に加わったが、発行は早くても来月10日ごろになる見通し。

 館山市によると、申請の受け付けは24日までに2016件に上る。ただ、公的な支援を受けるためには職員らによる現地調査が必要で、いまだ証明書の発行には至っていない。

 市は来月1日までの間、とりわけ甚大な被害を受けた富崎地区の公民館に職員を派遣し、証明書の交付申請を受け付ける。今後、他の地区でも出張受付を行う予定。

 「一部損壊」の住宅について、国が特例的に工事費の一部を負担することが決まり、住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。証明書の申請に訪れた同市の千葉勝彦さん(84)は「家の窓ガラスが割れたり、フェンスが倒れる被害が出た。高齢なので自分たちではどうすることもできず、補修は順番待ち。少しでも補助が出るのであれば助かる」と話した。

 木更津市は、市役所駅前庁舎、朝日庁舎、富来田公民館の3カ所で罹災証明を受け付け、他市からの応援をもらい現地調査を続けている。

 市内の申請受け付けは568件(24日現在)。こちらも一部損壊への支援が決まり、訪れる市民が急増したという。市民課のある朝日庁舎では25日も順番待ちの市民が目立った。

 手続きを済ました鎌田直美さん(45)は「屋根に穴があき、部屋が浸水して防水シートを張っている。一部損壊の証明を発行してもらってほっとしたが、家が全壊した方もいる。私はまだいい方だった」と話していた。

 鋸南町では、計約2200戸で家屋被害を確認。24日時点で784件の申請があったが、現地調査から発行までは約1カ月かかる見込みだ。担当者は「まだ申請できていない人も多い。いつ終わるのか見通しが立たない」と明かした。


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