落胆、憤り広がる 選挙区の柏・我孫子市民 支持者「裏切られた」 桜田五輪相更迭

  • LINEで送る

 「応援してきたのに裏切られた」「柏市民として恥ずかしい」。桜田義孝前五輪相(69)=衆院千葉8区=が東日本大震災の復興より自民党の同僚議員が大事と失言し、事実上更迭されてから一夜明けた11日、桜田氏の地盤、柏・我孫子の両市民はあきれた表情で批判。千葉県民からも「大臣を辞めて良かった」「自覚が足りない」と憤りの声が次々と上がった。

 柏駅付近を歩いていた中村正さん(75)=柏市=は「被災者や国民のことを考えていない人間性が出た」と問題の発言を批判。別の女性(38)=同=は「本当にあり得ない。地元としても選んだのが恥ずかしい」と憤った。昨年まで宮城県で暮らし、友人が被災した大学2年の女性(19)=同=は「被災者に対して軽率だし、悲しい」と被災地目線で苦言を呈した。

 衆院議員7期の桜田氏を長年支持してきた男性(73)=同=は「気さくな人柄に引かれ毎回投票してきた。柏選出議員の大臣に期待したが、今回の発言はひどい。そんな人と知らず、裏切られた」と憤慨した。

 桜田氏は昨年10月、東京五輪・パラリンピック担当相に就任。着任後から不安定な発言が相次ぎ、競泳の池江璃花子選手の白血病公表を「本当にがっかりしている」と述べ、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市を「いしまき市」と言い間違えるなど失言を重ねた。

 就任半年での辞任に女性(78)=同=は「調子に乗りすぎた発言で辞めて当然。ただ、腰を据えて取り組む大臣が少ない」と指摘。柏駅周辺で買い物をしていた女性(69)=同=は「五輪が来年に迫る大事な時期での辞任にがっかり。失態が多いのに安倍晋三首相はなぜ続投させたのか」と批判の矛先を首相に向けた。

 衆院選は棄権してきた女性(37)=同=は「悪い話で柏が注目されてしまった。これからはきちんと投票して議員を選びたい」と話した。

 衆院8区内の我孫子市の主婦(34)は「責任を持って発言していなかった。大臣になって失言続きだったので驚きはない」と突き放した。

 柳沼寛さん(86)=同=は「いつもの言い間違いの延長だろうが、今回ばかりは言い過ぎ。ただ、地元議員というより柏の人という感じ」と距離を置いた。

 一方、桜田氏をよく知る会社経営の男性(71)=柏市=は「いい人で、もっと頑張ってほしかった。残念の一言」と惜しんだ。

 選挙区から離れた千葉市の街中では、次々と憤りの声が寄せられた。

 千葉市若葉区の女性(80)は「(五輪相という立場を)自覚していない発言が多かった。任命する側にも問題がある」と指摘。

 同市中央区の津村重行さん(71)は「県議の時から知っており、いい人だが思ったことをすぐ言葉にするところが良くなかった。今回は最悪」と不満を口にした。

 同区の森川勝さん(73)は、県内が五輪・パラリンピックの会場になることに触れ「五輪担当大臣になった県内議員が半年で辞めたのは恥ずかしい」と批判。会社員の男性(45)=印西市=は「池江選手へのコメントにがっかりした。早く辞めて良かった」と辞任は当然と受け止めた。

◆地元市議「残念」「言語道断」 両市長は言葉少なく

 前五輪相で桜田義孝衆院議員の地盤、柏と我孫子両市の政界関係者は「期待していたので残念」「復興五輪を掲げているのに言語道断」と就任以来失言が続き、自らの暴言で事実上の更迭劇を招いたことに、冷ややかなメッセージや怒りの言葉をぶつけた。一方で、桜田氏をよく知る両市長は言葉少な。秋山浩保柏市長は「辞任はご自身での判断」と論評を避け、星野順一郎我孫子市長は「ノーコメント」と言及しなかった。

 桜田氏と近い柏の男性市議は「温厚で気さくだが、人柄が良くても大臣は務まらない。(自らの)発言で傷ついた人がいることを自覚してほしい」と忠言。

 我孫子の保守系の男性市議は「東葛地区のオリンピック準備を盛り上げてくれると期待していたので残念。発言に悪意はないと思うが、これだけ失言や言い間違いが続けば国民の信用を失っても仕方ない」と辞任を惜しんだ。

 地元で桜田氏と政治的に距離を置く議員からは、厳しい声。柏の男性市議は「これまでも大臣の資質を疑う問題発言を繰り返してきたので、辞任は遅すぎ。首相の任命責任を問うべきだ」。別の柏の男性市議は「復興五輪を掲げながら、被災地を軽視する大臣発言は言語道断。人の気持ちが分からないなら、組織のトップに立つべきではない」と怒りを抑えなかった。