「改元」口実にカード詐取 初の被害、アルバム送り付けも 県警、注意呼び掛け

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神奈川県の個人宅に送られてきた詐欺の文書(同県警ホームページより)
神奈川県の個人宅に送られてきた詐欺の文書(同県警ホームページより)

 天皇陛下の退位・即位に伴って5月に改元されるのに絡め、県内で改元を口実にキャッシュカードをだまし取る詐欺が初めて確認されたことが15日、県警への取材で分かった。県内ではほかに、「皇室のアルバム」を自宅に送り付ける手口も確認されており、改元や即位を悪用した詐欺行為や悪徳商法に警戒するよう県警や消費生活センターが注意を呼び掛けている。

 「元号が変わるとカードが使えなくなりますよ」。県警によると、8日午前11時ごろ、成田市の90代男性の自宅に銀行協会を名乗る男から、電話がかかってきた。

 男は「元号が変わると、キャッシュカードに付いている金色のチップが1個から3個になり、1個のカードは使えなくなる」と説明。さらに「チップが3個付いた新しいカードに交換する。発行には銀行名と口座番号、暗証番号が必要」と偽り、男性から暗証番号などを聞き出した。

 男性は約1時間後、自宅を訪れた銀行協会を名乗る男にキャッシュカード3枚を手渡した。その後、「オレオレ詐欺」の手口を思い出し、金融機関に確認。すでに計約24万円が引き出されていた。県警で詐欺事件として捜査している。

 また、神奈川県では全国銀行協会(全銀協)を装い、「元号の改元による銀行法改正について」とするうその文書を送る新たな手口も。文面では「5月1日の同法改正に伴いキャッシュカードの変更が必要」などと手続きを求め、「金融機関・口座番号・暗証番号」を記載させ、キャッシュカードを同封させてだまし取る手法。

 改元や退位・即位に関して、県内では皇室のアルバムを自宅に送り付ける手口も。今年1月、千葉市内の女性の元に「天皇陛下の退位に伴い、皇室のアルバムを買いませんか」と勧誘電話がかかってきた。市消費生活センターによると、値段は3万6千円ほど。女性は断ったが、後日アルバムが送り付けられた。

 開封すると、アルバムと一緒に分割払い用の振込用紙が入っていた。「頼んでもいないのに…」と戸惑った女性は、同センターに助けを求めた。

 同センターは「怪しい勧誘電話がかかってきたらきっぱりと断ってほしい。クーリングオフが可能な場合もあるので相談して」と呼び掛ける。

 「改元詐欺」が確認されたことを受け、県警生活安全総務課の担当者は「お金やキャッシュカードの話が出たら詐欺だと思って」と注意を呼び掛け。改元が迫るにつれて同様の手口が増える可能性があるとみて、「相手は言葉巧みにだまそうとする。留守番電話設定にすることや、迷惑電話対策機器を導入するなど犯人と直接話さないことが重要」と対策を紹介。

 一方、全銀協もホームページで「取引銀行や暗証番号を聞いたり、キャッシュカード、クレジットカードや現金を預かったりすることは一切ありません」と注意を呼び掛けている。