KYB、検査データ改ざん 「一刻も早く交換を」 装置採用鎌ケ谷市 損賠請求検討も

  • LINEで送る

 部品メーカーのKYBが免震装置と制振装置のオイルダンパーの検査データを改ざんしていた問題で、千葉県内では建物36件に対象の免震装置が使われていた。千葉市内では民間建物8件で使用されていることが分かり、鎌ケ谷市は市庁舎にオイルダンパー8基が使われていたことを公表。市担当者は「非常に憤りを感じる。一刻も早く交換してもらいたい」と怒りをあらわにし、KYBへ費用負担と損害賠償の請求を検討する。

 免震装置は建物の地下階などに設置し、装置が伸縮することで地震のエネルギーを吸収する。鎌ケ谷市が実施した免震改修工事で、市庁舎地下に昨年3月、新たに免震階を造り装置を設置した。これまでに不具合はないという。

 市契約管財課は「市庁舎はいろいろな人が利用する公共施設であり、防災拠点でもある。市民の安全確保ができず、非常に憤りを感じる」と怒りをにじませる。適正な装置への交換を早期にKYBへ求めるとともに、長期間にわたり不正な装置を使用させられたとして、損害賠償請求も視野に入れる。

 県建築指導課によると、16日午後、国土交通省から県へ県内の対象建物36件について報告があった。建物の所在地や種類を明らかにしていないが、建築行政の独自権限を持つ各市(特定行政庁)に対し、国からの一連の通知内容を伝えたという。

 千葉市は千葉日報社の取材に、市内の民間建物8件に不正な免震装置が使われていることを明らかにした。市も建物の所在地や種類を明らかにしていない。公共施設はなかった。一方、浦安市は「慎重に扱うように国から通達があった。現時点で公表対象とは考えていない」と、対象物件の有無を含め明言を避けた。

 県建築指導課は「(データ改ざんは)あってはならないこと。KYBを呼んで報告を求めた上で、今後の状況も確認していく」とし、現状把握を進め、同社の対応を見極めていく。

 国やKYBは、対象建物について「所有者ら関係者の了承を得られ次第、可能であれば公表したい」としている。

◇KYB 1919年に東京都で創業した油圧機器メーカー。東京証券取引所第1部上場で、2005年10月に「カヤバ工業」から現社名へ変更した。主に自動車や鉄道向けに油圧で振動を抑える部品などを製造、販売する。地震の揺れから建物を守る免震・制振用のオイルダンパーの国内シェアはトップ。東京スカイツリーの制振ダンパーも手掛けた。18年3月期の連結売上高は3923億円。18年3月末のグループ従業員数は約1万4800人。