重複で催事場失う300件 時期変更を検討も難航 幕張メッセ使用期間問題 【聖火の宿題 ちば 五輪・パラまで2年】(2)

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幕張メッセで例年8月に開催される「ジャパンDIYホームセンターショウ」。昨年は3日間で11万人が来場した=17年8月、千葉市美浜区
幕張メッセで例年8月に開催される「ジャパンDIYホームセンターショウ」。昨年は3日間で11万人が来場した=17年8月、千葉市美浜区

 「開催できる見通しが立たない。2020年は中止するしかないかも」。18年にわたり幕張メッセ(千葉市美浜区)を会場としてきたイベント「ペット博」(5月)の担当者は頭を抱える。

 20年東京五輪で3競技、パラリンピックで4競技の会場となるメッセ。世界から注目を浴び、「マクハリ」の認知度やブランド力は高まると期待される。

 一方、大会組織委員会による現状の計画では、会期中と前後の準備期間を合わせ、4月21日~9月20日はメッセの大半で展示会や国際会議を開くことができない。時期が重なるイベントの一部は開催前倒しなどを検討中だが、対応を決められずにいる主催者も少なくない。

 昨年の同期間に開かれたイベントは300件。主催者の不安を解消できなければ、開催取りやめや県外の展示会場への移転など“メッセ離れ”が相次ぐ懸念もある。19年の開業30周年を前に、メッセは今、岐路に立たされている。

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 五輪開幕まで2年を切る中、イベントの日程を五輪・パラ期間とずらす動きも出始めた。

 16年にメッセで始まった旧車展示会「オートモビルカウンシル」。今年までは8月開催だったが、来年から4月に変更する。担当者は「五輪直前になって急に変えるのは大変」と、早めに前倒しを決めた意図を説明する。

 今年は約16万人が来場した「ニコニコ超会議」(4月末)も、「20年の日程については現在メッセと調整している」(主催者)。昨年は計11万人が来場した「ジャパンDIYホームセンターショウ」(8月)は、20年のみ開催日を遅らせる方針だ。

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 ただ、時期をずらせば全て解決、とはいかない。01年からメッセを会場としてきた音楽イベント「サマーソニック」(8月)も開催時期変更を検討するが、「例年春や秋に開催している他のイベントとバッティングする。『サマー』の名前で春にやるのも……」(主催者)と苦しい胸の内を明かす。20年は開催を見送る可能性もあるという。

 ペットや関連用品を集めた今年5月のペット博には3万8千人が来場。20年は県外の代替施設での開催も視野に入れるが、「ほとんどの会場で予定が埋まっており、計画が立たない」(主催者)と嘆く。

 20年が迫る中、こうした“メッセ難民”に具体的な対処策を提示できるかが、21年以降のメッセの運命を左右する。県や千葉市が出資する、運営を担う第三セクター会社は「恒例行事の開催時期や規模を調整するなど、メッセで開催してもらえるよう、できるだけの努力を続ける」(担当者)と強調した。

◇幕張メッセ使用期間問題
 県開催準備課によると、組織委が17年3月に示した当初予定では、メッセの使用期間は20年4月初旬~9月末の6カ月間。県の求めに応じて今年6月、期間を1カ月程度短縮し、4月21日~9月20日と示した。一部区画は5月末まで使える。4月初旬に多い大学の入学式や9月下旬の「東京ゲームショウ」などは例年通りの日程で開催できる見通しとなったが、県は組織委にさらなる短縮を求めている。