いじめ発見、アプリで 利用活発「相談」9倍 千葉大検証、ニーズに適合 全中学に導入の柏

  • LINEで送る

 ネットいじめの早期発見・抑止に向けて、いじめなどの事例を匿名で報告、相談できるスマートフォン・ウェブ用無料アプリを千葉県内で初めて柏市の全中学校で導入したところ、アプリでの報告や相談が、電話と電子メールの合計のおよそ9倍に上り、活発に利用されていたことが共同で取り組む千葉大学の検証で明らかになった。相談内容もいじめにとどまらず、家族や人間関係についてなど幅広く、市は「子どもに合ったツール。SOSを受け止めたい」と評価。一方で、登録者数が約5%となり、多くの利用へは課題も残った。

 柏市は昨年度、千葉大などと産学官連携で動画などの教材を開発し、「ネットいじめ」を防ぐ中学1年生の授業を行う際に、スマホ・ウェブ用アプリ「STOPit(ストップイット)」を導入。同市立の全20中学校(1~3年の全9825人)のうち、約5%にあたる486人がストップイットに登録した。

 同アプリを使った報告、相談は、学校名と学年だけが市教委側に伝わる仕組みで、指導主事や学校心理士とやり取りでき、本人の申し出を受けて学校側と情報を共有して解決方法を探ることができる。

 千葉大などによると、アプリでの報告、相談は133件で、電話12件とメール3件の計15件と比べおよそ9倍の利用があった。

 報告・相談内容は、「本人のいじめ」が最も多い37件(全体の約28%)。家族との人間関係など「その他の相談」が27件(同20%)、「相談以外(あいさつや問い合わせなど)」が24件(同18%)で続いた。「本人以外のいじめ」の通報は11件(同8%)あり、「ネットトラブル」は8件(同6%)だった。

 柏市児童生徒課の藤崎英明副参事は「いじめ相談が目的だったが、家族や部活動などさまざまな悩みが寄せられた。子どもたちのニーズに合ったツールで、SOSをしっかり受け止めていきたい」と話す。本年度はモデル校を選び小学校での導入も検討している。

 千葉大によると、ストップイットと「ネットいじめ」を防ぐ授業は本年度から野田市と山武市にも拡大。同大教育学部付属教員養成開発センター特別研究員でストップイットジャパンの谷山大三郎社長は「授業とセットでいじめについて考え、悩みは抱え込まず相談してほしい」と、アプリの活用を呼び掛ける。ストップイットは、米国で約6千校329万人、国内では中学生を中心に約100校5万人の利用を見込むという。