千葉県立図書館、1館集約へ 利便性向上、経費節減も 2館は譲渡など検討 千葉県教委方針

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集約先と想定される千葉県立中央図書館=千葉市中央区
集約先と想定される千葉県立中央図書館=千葉市中央区

 千葉県教委は、現在3館ある千葉県立図書館を1館に集約する方針を固め、図書館の在り方を諮問する有識者審議会へ先月、示した。利便性の向上や経費節減が狙い。集約先と目される中央図書館(千葉市中央区)は老朽化もあって建て替える考えで、文書館(同区)などとの一体整備も検討している。一方、集約後の残り2館の活用法は不透明で、地元への譲渡などが今後議論となりそうだ。

 現在の県立図書館は中央、西部(松戸市)、東部(旭市)の3館体制。

 県教委は、2011年策定の「図書館の今後の在り方」で、現在の3館体制を維持して機能向上を目指す方針をいったん出したものの、16年の公の施設の見直し方針に基づいて、「中央図書館を改築し、1館に集約」「西部・東部の2館に集約」「3館維持」の3案を検討。1館集約が望ましいとの結論を学識経験者らで構成する県社会教育審議会(会長・重栖聡司千葉大教育学部教授)に11月下旬、示した。

 生涯学習課によると、集約の主な狙いは利用者の利便向上と経費節減。資料が1館に集まれば、分野横断型の調査にかかる時間が短縮され、司書の配置で余裕も生まれて、高度な調査相談に対応できるようになるという。また、資料運搬などの運営経費は30年間で約73億円削減できる見通しだ。

 審議会委員からは、機能向上を前提に肯定的な意見が相次いだという。今月上旬には審議会が答申を出す見込みで、県教委は県民へのパブリックコメントを経て、年度内には計画を確定させる考え。

 同課によると、福井県や大分県では、図書館と文書館など関連施設との一体整備を行った例がある。1988年に県立図書館から分かれた県文書館は書庫が不足しており、一体整備を模索する可能性があるという。

 ただ課題はある。集約先と想定される中央図書館は耐震強度不足で、昨年7月から一部区域の利用を制限している。本の収容能力は限界を迎え現行施設のままでは集約ができないが、特殊な構造で改修は困難。11月に県が出した県有建物長寿命化計画では、5年以内に建て替えに着手するとしており、現在は用地選定を進めている段階だ。

 統廃合する2館についても、近くの市立図書館で県立図書館の資料を取り寄せられるとはいえ、利用者にとって今より不便になる。県教委は集約後の2館を地元市に移譲する案も検討するが、松戸、旭両市担当者はいずれも県から正式な連絡を受けていないことから、譲渡については「白紙状態」としている。

◇県立3図書館 中央図書館は2回の移転を経て1968年、現在地に設置。昨年度の入館者数は約6万7千人で、蔵書数86万5250冊。法学など社会科学系を中心に専門的な資料を収集している。西部図書館は87年オープン。昨年度入館者数は3館で最多の約18万人に上り、蔵書数27万2663冊。医学や自然科学の資料をそろえる。東部図書館は98年開館。昨年度入館者数は約16万6千人で、蔵書数27万6741冊。歴史や文学の資料を重点的に所蔵している。