外来ザルと交雑3割 DNA鑑定、57頭処分 老朽フェンス損傷で 富津・高宕山動物園

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 富津市は20日、ニホンザルを飼育する高宕山自然動物園(同市豊岡)のサル全164頭をDNA鑑定した結果、約35%にあたる57頭が特定外来生物「アカゲザル」との交雑個体だったと発表した。57頭は外来生物法に基づき殺処分された。同園近くの高宕山一帯は「高宕山のサル生息地」として国の天然記念物に指定されているが、周辺で交雑が進んでいる実態が浮き彫りとなった。

 市によると、高宕山周辺や同園のニホンザルは、房総半島に固有の希少種。同園は指定地域外だが、山の一帯エリアが天然記念物になっている。

 周辺でアカゲザルとの交雑個体が確認されたほか、園は老朽化でフェンスが損傷しサルが出入りできる状態だったため、園を所有する市が全頭をDNA鑑定した。鑑定は京都大学霊長類研究所とかずさDNA研究所(木更津市)が行った。

 同園にはニホンザルの飼育許可しかなく、交雑個体57頭は外来生物法に基づき殺処分された。市は、残り107頭の飼育を続け、新たに生まれる子ザルについてもDNA鑑定を行う。

 園の破損フェンスは補修された。市は今後、適正管理のための施設整備を検討するとしている。

 千葉県によると、アカゲザルは西~東アジア原産。県内では、県南地域の観光施設で飼育されていたものが閉鎖に伴い逃げ出し、広がったとみられる。

 県や国は、アカゲザルや交雑個体の駆除を進めているが、雄は群れを離れて長距離を移動するため、交雑を防ぎきれていないのが現状だ。

 天然記念物の指定は、純血のニホンザルの絶滅が確認されない限り、解除にはならないという。