「ここに残り闘い続ける」 祖父から3代、耕した土地 成田明け渡しで市東さん

 祖父から3代、約1世紀にわたって耕した土地で有機無農薬農業を続けたい-。その思いで訴訟を闘ってきたが、最高裁の上告棄却で土地の明け渡しが確定した。空港反対派農家、市東孝雄さん(66)は「結果は予想できた。結論ありきで国策に沿った裁判だ」と批判した。

 孝雄さんの祖父、市太郎さんが、明け渡し対象となった土地を開墾したのは大正時代。1966年に成田空港建設が閣議決定され、土地が予定地とされたため、父の東市さんは反対闘争に加わった。

 孝雄さんは中学卒業後に家を離れて居酒屋などで働いていたが、東市さんが99年に亡くなった後、実家に戻って農業と闘争を引き継ぎ、三里塚・芝山連合空港反対同盟北原派で活動してきた。

 孝雄さんは50種類以上の野菜を育て、今も全国の消費者に届けている。二審の敗訴後には「農民の私に対する死刑判決だ」と憤った。「最高裁がどんな判断を示しても、ここに残り闘い続ける。自分の生き方を貫く」と強調していた。

 孝雄さんは26日も普段通り、明け渡しが確定した土地で農作業を続けた。孝雄さんが応じなければ、裁判所がNAAの申し立てを受けて強制執行することになり、耕作地の多くを失うが「ここで変わらずに農業を続けていく」と淡々と話した。

 孝雄さんは今回判決が確定した土地に隣接する土地についても、明け渡しを求めるNAAと千葉地裁で係争中。


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