厳しい諸国の現状知って アフリカの絵本を紹介 流山出身・村田はるせさん(52) 【時の人】

 鮮烈な色彩の人と動物。独特なアップリケの表現やガラス絵。紛争や感染症を扱った作品も。多様なアフリカの絵本に魅せられ、紹介する巡回展を日本各地で開いている。「不思議な力強さがあって、想像力を喚起してくれる」とほほ笑む。

 流山市出身。東京で保育士として働いていたが、マンネリを感じ青年海外協力隊に応募。1995年から2年間、ニジェールの保育園に勤め、アフリカ文学と出合う。

 「現地で接していても分からなかった同僚の内面や価値観が表現されていた」。帰国後、社会人入試で大学に入り、西アフリカ諸国の文学研究で博士号を取得。コートジボワールやブルキナファソ、ルワンダなどを訪れ、集めた絵本は約400冊に上る。

 西アフリカ諸国の公用語はフランス語で、流通する本もほとんどが旧宗主国フランスからの輸入品だ。現地の子どもの視点で描かれた絵本は少ない。識字率も高くない。そんな状況を変えようと創作、出版に取り組む人たちを取材してきた。

 アフリカ諸国の現状が厳しいのは、先進国にも責任があると感じる。「日本の人に知ってもらいたい」と講座などを企画。昨年、絵本の展覧会や読み聞かせも始めた。

 「絵本は、ぱっと見て面白いと思える。全然違う世界を知ることができる」。日本社会が寛容さを失いつつあるだけに、アフリカの絵本を通じて「いろんな人の中で生きている自分を振り返ってほしい」と願う。

 富山県で教員の夫と2人暮らし。52歳。


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