水源地搬入に住民反発 「安全」基準、不安拭えず “汚染”廃棄物の埋め立て問題

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埋め立て問題に揺れる君津環境整備センター=3日午前、君津市怒田
埋め立て問題に揺れる君津環境整備センター=3日午前、君津市怒田

 各地で高い値の放射線量が検出され住民不安が高まる中、県南部では放射性物質を含む汚泥や焼却灰に対し市民団体が搬入中止を強く訴えている。埋め立て施設が君津や富津市など上総地域にとっての水源地に位置するからだ。ただ、これまでに搬入された廃棄物から検出された放射性セシウムはいずれも国の基準値以下。「埋め立ては制限できない」とする千葉県に対し、あくまで「搬入中止」を求める市民ら。新たな搬入先のめども立たず、両者の主張は平行線のままだ。

 国は6月、放射性物質で汚染された廃棄物の埋め立て基準を「1キログラム当たり8千ベクレル」と示し、この数値以下のものについては「安全に処分できる」とした。

 基準以下であれば、処分場の周辺住民と埋め立て作業員が浴びる放射線量は計算上「年間1ミリシーベルト以下」。これが国の言う“安全”の根拠だ。

 君津環境整備センター(君津市)、大塚山処分場(富津市)は、主に県内で出た産業廃棄物の最終処分施設。原発事故後も、国の基準値以下のものはこれまで通り埋め立てられてきた。

 同センターの運営会社「新井総合施設」は、放射性物質を含む廃棄物の取扱規定を設け、放射性物質の測定結果や排出元などをホームページ上で公表する。

 同社の検査では、県野菊の里浄水場(松戸市)から出た汚泥は1キログラム当たり最大5250ベクレル、君津、富津、木更津、袖ケ浦の上総4市のごみが焼却される広域処理施設(木更津市)の焼却灰からは同5760ベクレルの放射性セシウムが検出された。いずれも国の埋め立て基準を下回るが、市民の不安が収まる気配はない。

◆漏れ出したら…

 「もしもセシウムが漏れ出したとき、誰が責任を負えるのか」

 「放射性物質から生命を守る市民の会」(山田周治代表)は上総4市と市原市で活動する11の市民団体の集まり。

 中心メンバーの1人、佐々木悠二さん(66)は「こんな大事なことをなぜ市民に知らせないのか」と行政を含む関係機関への不信感、怒りを隠せない。

 同センターと大塚山処分場の近くには、それぞれ水道水の水源となる小櫃川、農業用水などに使われる湊川の源流が流れる。市民団体が最も恐れているのは水を介した住民の内部被ばくだ。

 佐々木さんのもとには搬入中止を求める署名が続々と届く。「こういう問題に関心がなかった人からも多い」といい、放射性物質への不安の大きさを物語っている。