
学校に入学し周囲の環境が大きく変わる新学期は、子どもたちの心理状況が不安定になることもある。新学期は命を絶つ子どもが増える傾向にあり、自殺予防に取り組む社会福祉法人「千葉いのちの電話」(千葉市中央区)は子どもたちに「自分の心と体の健康に気を配り、小さな心のSOSに気付いて。相談できる人がいなかったら私たちに話して」と呼びかけている。
子どもの自殺は深刻な状況になっている。厚生労働省によると、10代前半(10~14歳)の死因は2021年、戦後初めて2年連続で自殺が1位となった。小中高生の自殺者数は、22年に過去最多の514人に上った。
千葉いのちの電話によると、22年度の電話相談は1万4千件で21年度から約2千件増えた。新型コロナや不景気などが原因とみられるという。電話以外でもインターネットや対面で相談に乗っており、22年度のネット相談は約230件、対面相談は約170件だった。
メールでやりとりするネットでの相談者は20代が多くを占め、斎藤浩一事務局長(67)は「小さな出来事でもため込むことで心の不調につながる。電話に不慣れでも、メールで相談してほしい」と若い世代に訴えた。
悩みを抱えていそうな子どもがいたら、周囲の大人は自分の気持ちを吐き出させることを重視し、対等な立場で相談に応じることが大切だという。斎藤事務局長は「相談に乗る際は話を遮らず最後まで聞く姿勢が必要」と指摘した。
◆千葉いのちの電話の相談専用電話
(電話)043(227)3900