
千葉県の公立高校入試は、2日間に分けて行います。初日は、「共通問題」の国語・数学・英語の3教科。2日目は「共通問題」の理科・社会の2教科と、それぞれの高校が独自に設定する「学校設定検査」があります。
この「学校設定検査」は、作文、面接、実技、集団討論、小論文などから各学校が採択して入試を行っていましたが、2022年の春入試、つまり今の新高校2年生が中学3年の時から、新たに『思考力を問う問題』という名称で学科試験が追加されました。
この学科試験は、国語・英語・数学の3教科で合計100点、試験時間は60分という試験です。全体的に難度がとても高く、初めて実施された昨年は千葉県の最難関公立高校とされる県立千葉高校の1校のみが採択しました。今年度は同じく、難関公立高校の東葛飾高校と千葉東高校が採択し、3校が実施しました。
それでは、具体的に内容をご紹介します。先ほどもお伝えしましたが、1つの問題冊子に国語・数学・英語の3教科が全て掲載されています。各教科の配点は、それぞれ33点~34点ですので、ほぼ3等分です。
数学は各分野の重要単元とされる関数と図形は必ず出題され、その難易度は、難関私立高校に引けを取らない難しい問題が出題されます。
英語は、英作文が出題され、難度の高い単語を含んだ英文の意味を把握し、正しい文法で指定された語数で書かなければなりません。
国語は、2つの異なる説明文を時間内に読み進め、それぞれの筆者の主張する具体的な内容のうち、共通部分を自分の言葉で言い換えながら180文字以上で記述させるという、受験生には大変負担が重い問題が出題されています。
特に、国語の最終問題は原稿用紙にして約半分の180字以上を必要とする解答を求められています。しかも、配点が15点です。英作文は10点です。
このように、短い試験時間で3教科全てに目を通し、難度の高い問題で得点するためには、時間配分は当然として、速読力・思考力・表現力・判断力のすべてを総動員して取り組む必要があります。まさに、“新しい学力観”をピンポイントで直接的に力を測り評価する入試制度であると言えます。
素早く、正しく読む力、内容を理解する力、問題条件に必要な情報を文章から探し出す判断力、抜き出した情報を整理しながら解答にまとめていく思考力、そしてそれを解答用紙に記述していく表現力が必要であるといえます。
これから高校受験を迎える新学年のみなさまにお伝えできるのは、公立高校に合格するためには、こういった力を毎日の学習の中でコツコツ積み上げていくことが絶対条件であるということです。(市進教育本部)