房総通リズム春の観光特集2024

千葉から消えゆく街の本屋 背景にネット、娯楽多様化 図書館が文化継承に力

先月、約15年の歴史に幕を下ろした「三洋堂書店市原牛久店」。市原市内では書店の閉店が相次ぐ=同市中
先月、約15年の歴史に幕を下ろした「三洋堂書店市原牛久店」。市原市内では書店の閉店が相次ぐ=同市中
町内に書店がない睦沢町の図書室。小学生の読みたい本などを特集し、蔵書を充実させている=睦沢町立中央公民館
町内に書店がない睦沢町の図書室。小学生の読みたい本などを特集し、蔵書を充実させている=睦沢町立中央公民館

 地域の文化発信拠点でもある書店が千葉県内の街から消えている。人口減少による経営難やインターネットの普及、娯楽の多様化などが背景にある。書店の少ない地域では公立図書館が蔵書の充実に力を入れるなど、活字文化の継承へと懸命だ。

 「風前のともしびですよ」。県内にある明治時代創業の老舗書店。70代女性店主は、ため息交じりに打ち明ける。

 かつては学校帰りの高校生が立ち寄ったが、電子書籍の台頭で若者の足は遠のき、メインの客層は高齢者。その高齢者も新型コロナ禍で外出を控え、来店客はさらに減った。宿泊施設や理 ・・・

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