新たな歴史つくりたい 鴨川令徳高校硬式野球部監督 松尾守さん(29) 【ひと模様】

 6年ぶりに野球部が復活した鴨川令徳(旧文理開成)高校で、春から指揮を執る。部員は全員1年生。「鴨川は海や山があり、最高の場所。一緒に青春を過ごし、新たな歴史をつくりたい」。甲子園出場という大きな夢に向かって、バットを持つ手に力を入れる。

 東京都出身。野球の強豪校として知られる沖縄県立浦添商業高を卒業後、専門学校を経て社会人チームで白球を追った。現役引退後は、明聖高(千葉市)や静岡県立川根高でコーチとして指導。部活動を通じた学校魅力化や地域活性化に取り組んできた。

 旧文理開成高時代に部員がゼロになり、2015年から休部状態だった野球部。一時は高野連脱退の危機にもひんしていた。前任校での指導が一区切りついた頃、校名を鴨川令徳高に変更して再始動する情報を耳にし、迷わず連絡を取った。

 「鴨川は空気が良く、青春を過ごすのには最高の場所。ここなら子どもたちがたくさん来てくれるし、学校も復活する」。野球部再建に向けて自らまとめた計画書を提出し、昨年4月に採用された。

 昨年度は同高校の寮監として生活指導に当たる傍ら、首都圏のさまざまなクラブチームを回るなどしてスカウトに努めた。コロナ禍の上、部員がいない野球部に入ってくれるのか一抹の不安もあったが、まちの魅力や練習環境の良さを訴え続け、この春、11人が門をたたいた。

 部員全員が1年生ということもあり、日々の学校生活では少し幼さが垣間見えることも。それでも、試合をこなすたびに「私生活での行動がすべてプレーに表れるんだと気づき始めた。非常にいい雰囲気」と、メンバーの成長を感じている。いつの日か聖地に「令徳旋風」を響かせるため、この夏はまず1勝を目指す。


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