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新型コロナウイルス情報

50年来の常連、空手道場が“恩返し” 合宿中止も日帰り利用、寄付 山武ホテル「浪川荘」 コロナで苦境

浪川荘の職員(左)に集めた“善意”を手渡す小嶋師範=山武市(浪川荘提供)
浪川荘の職員(左)に集めた“善意”を手渡す小嶋師範=山武市(浪川荘提供)

 山武市蓮沼のホテル「浪川荘」(浪川朝博社長)で毎年夏に合宿を行っている千葉市の空手道場が、少しでも援助になればと、ホテルに10万円を届けた。ホテルは新型コロナウイルス感染拡大の影響でキャンセルが相次ぎ、売り上げが激減。空手の合宿も取りやめになったが、50年来の交流がある常連客からの義理堅い計らいにホテルの浪川社長は「とてもありがたい」と感謝の言葉を繰り返す。

 善意を届けたのは、毎年夏に子どもから大人まで計約250人でホテルを訪れ2泊の貸し切り合宿をしている「極真会館小嶋道場千葉県総本部」(小嶋殉也師範)。今夏は合宿を中止にしたが、道場で集めた援助金を手に、大人だけ76人がそれぞれ日帰りで個室を予約。昼食を挟んで体育館や近くの海岸で練習をして帰った。

 ホテルによると、小嶋師範は先代に連れられて中学時代から毎年訪れている。コロナで予約が減っていないか心配し「浪川荘は第二のふるさと。大変な状況だが、頑張ってほしい」と話したという。

 ホテルは1967年創業。体育館や武道場、宴会場など施設が充実していて、春休みや夏休みのスポーツ合宿や年度初めの新入社員研修、会合など団体利用が収入の柱になっている。

 新型コロナの影響で3~7月の売り上げは例年の1割程度まで落ち込み、8月の予約は95%がキャンセル。館内は和室が多く、空室でも毎日の換気などが欠かせず、収入がなくても手間や経費がかさむ。9月も同様の状況が予想される。

 これまでにも東日本大震災の津波で建物が浸水し、昨年秋の台風15号では屋根が破損するなど大きな損害が出ている。浪川社長は「やっと傷が癒えてきたところにコロナでやられ瀕死(ひんし)の重傷。今回は今まで以上に先が見えない状態で、新たな融資を受けるのも怖い」と途方に暮れていた。

 そんな窮地に常連客から届いた慈善の心。浪川社長は「3密対策を施したバーベキュー場を新設したりクラウドファンディングを企画したりしている。何とかもう一踏ん張りしたい」。励ましを力に、前を向く。


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