防災ラジオ需要高まる 相次ぐ風水害に市原市で販売増 情報の入手手段として存在見直し

販売台数が増えている市原市の防災ラジオ。防災行政無線の内容を聞くことができる
販売台数が増えている市原市の防災ラジオ。防災行政無線の内容を聞くことができる

 昨秋の一連の風水害で甚大な被害を受けた市原市で、防災行政無線の内容を聞くことができる防災ラジオの販売が増えている。昨年度は9月以降に市民の購入ペースが上がり、市が抱えていた在庫を一掃した。本年度も購入する市民が後を絶たず、毎年のように起きる県内外の災害を教訓に、市民の間で防災ラジオの認識と必要性が高まっている。

 市危機管理課によると、防災ラジオは防災行政無線を補完する情報伝達手段で、AM、FM放送を聞いている最中でも同無線の内容が優先的に流れる。

 市は2008年度から購入希望者に販売を開始。16年度88台、17年度113台だった販売台数は、18年度になって345台に急増。昨年度は4~11月の8カ月で351台に達した。8月末で在庫は278台あったが、風水害が相次いだ9月以降、購入が増加し一掃した。

 年度途中で在庫がなくなり市は300台を発注。今年4月末に届き、234台(7月15日現在)を販売した。同課は「災害に対する市民の意識の高まりを感じる」と述べ、追加発注を検討している。

 大規模災害をきっかけに販売が増える傾向にあるという。18年度は西日本豪雨などがあった。昨年度は9、10月に房総半島台風(15号)、竜巻と東日本台風(19号)、房総豪雨が立て続けに襲来し、同市をはじめ県内の広範囲で被害が出た。

 昨年9月9日の房総半島台風で同市は、市内全域で最大約6万6800戸が停電し、復旧まで最大15日を要した地域があった。停電のほか通信障害も重なり、市民は必要な災害関連情報の入手に苦労した。

 同10月25日の房総豪雨では、養老川中流域の高滝ダムで、12時間で303ミリという記録的な降雨量を観測。緊急放流が予定され、市は浸水が想定される地区の計約4万4300人に避難指示(緊急)を発令するなど市内は緊迫感に包まれた。当時、こうした情報を防災ラジオで知った住民もいた。

 相次ぐ災害を受け、住民の重要な情報入手手段として改めて存在が見直されている防災ラジオ。市が販売するものは家庭用電源と乾電池が使える。08年度~昨年度の販売数は計約1万4千台で、新規購入のほか買い換え需要もあるという。1台2千円(税込み)。


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