待合室に動物壁画出現 山武出身芸術家・バルサミコヤスさん制作 院内明るく「みんな笑顔に」 さんむ医療センター

完成したばかりの壁画を前に「こうやって動物たちと一緒に写真を撮って楽しんでみて」と呼び掛けるバルサミコヤスさん=山武市
完成したばかりの壁画を前に「こうやって動物たちと一緒に写真を撮って楽しんでみて」と呼び掛けるバルサミコヤスさん=山武市

 山武市出身の芸術家、バルサミコヤスさんが、同市成東の総合病院「さんむ医療センター」の内壁に大きな絵を描いた。「患者や病院関係者に笑顔を」との思いを込めながら絵本の中から出てきたようなかわいらしい動物を壁いっぱいに並べ、殺風景だった院内を明るく彩った。

 「おもしろアーティスト」を名乗るバルサミコヤスさんは、持ち味の明るく愉快な色使いを生かしテレビや音楽の美術分野などで活躍。近年は市内の公共施設やイベントに多くの作品を提供している。

 壁画を制作したのは1階待合室一角の縦2・65メートル、横7メートルの壁。診療がない平日の夜間と週末に絵筆を握り、約10日間かけて完成させた。作業は連日深夜に及んだ。

 キャンバスとなった内壁に姿を現したのは、おしゃれに着飾ったウサギやキリン、サル、ゾウ、小鳥など10体を超える動物たち。背景は、もともとの壁色である白を生かしながら印象派さながらに黄や桃色などいくつかの色を塗り重ね、柔らかな雰囲気を演出した。絵の上部には大きな太陽を配置。光線は、通り掛かりのスタッフや見舞い客らに押してもらった70~80人分の手形で表現した。塗料には水性ペンキを使った。

 今回の企画は芸術を通じ院内環境を向上させる「ホスピタルアート」という取り組みで、国内ではまだ認知が広がっていないという。バルサミコヤスさんがホスピタルアートを手掛けたのは、昨年4月に青年海外協力隊員の友人がいるザンビアの病院を訪れたのがきっかけ。帰国後は、院内の薄暗い空気に違和感を抱き、行く先々で「ホスピタルアートをやりたい」と持ち掛けたことで実現した。

 今回の創作活動でも、通り掛かった人に「元気が出た」と声を掛けてもらったことが励みになったという。バルサミコヤスさんのお薦めは、絵の中心の余白に立って動物たちと一緒に並んでみること。「人間と動物たちが種類は違っても心で通じ合うストーリーをイメージした。一緒に写真を撮ったりしながら『一人じゃない』と感じてほしい」とペンキまみれの作業着姿で話した。


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