「一緒に立て直そう」千葉県内被災者にエール 淑徳大学園祭に参加 宮城の硯職人高橋さん

29~30日に淑徳大学で開かれた学園祭で、雄勝石を使った工芸品について説明する高橋頼雄さん=千葉市中央区
29~30日に淑徳大学で開かれた学園祭で、雄勝石を使った工芸品について説明する高橋頼雄さん=千葉市中央区

 千葉市中央区の淑徳大学で29~30日に開かれた学園祭「龍澤(りゅうたく)祭」に、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の硯(すずり)職人、高橋頼雄さん(44)が参加した。同大学が行ったボランティア活動がきっかけで、学生らとの交流が始まり来校した高橋さんは「千葉でも津波や液状化現象で大きな被害を受けた人がたくさんいる。みんなで一緒に生活を立て直そう」と県内の被災者にエールを送った。

 高橋さんによると、同町の雄勝石を使った「雄勝硯」の生産は室町時代に始まったとされる。「表情が一つずつ違う」石肌の模様を生かした箸置きや皿などの工芸品も制作されており、プロの料理人の間で人気があるという。

 高橋さんは7月に仮設住宅に移り、現在は市役所の施設を借りて雄勝石の工芸品を制作している。今後のまちづくりを協議する組織では副会長を務め、故郷の復旧、復興に向けた活動もしている。地震前、雄勝地区には約4300人の住民がいたが、現在は千人ほどしか残っていないという。

 高橋さんは学園祭で、同大学の学生とともに東北物産展のブースで支援を呼び掛け、雄勝石の魅力について来場者に説明した。工房と自宅の再建のめどは全く立っていないが、11月には職人仲間と進めてきた共同作業所が完成する予定だ。


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