日蓮聖人 生誕伝説謎解明へ 降誕800年控え初調査 鴨川市

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清澄寺の旭が森にある日蓮聖人銅像(鴨川市提供)
清澄寺の旭が森にある日蓮聖人銅像(鴨川市提供)
調査内容や今後の日程について市職員と話し合う岩淵教授(中央)=16日、鴨川市役所
調査内容や今後の日程について市職員と話し合う岩淵教授(中央)=16日、鴨川市役所

 2021年に迎える日蓮聖人降誕800年に向け、鴨川市は16日、同市小湊の海中に沈んでいるとされる聖人生誕の地の調査に初めて乗り出した。海洋考古学に詳しい識者らを招き、20日までの5日間、既存資料の分析や地元住民へのヒアリングなど事前調査を実施。今後潜水調査を行うなどして、古くから語り継がれてきた伝説の解明に挑む。

 市などによると、日蓮聖人は1222(貞応元)年2月16日、同市小湊片海の漁村に生まれた。降誕の際、庭先から泉が湧き、浜辺にハスの花が咲き、タイの群れが集まった「三奇瑞(さんきずい)」の伝説が古くから伝えられ、小湊・妙の浦のタイは聖人の化身として今もなお敬われる。

 1276年には、聖人の生家跡に最初の誕生寺が建立されるも、2度にわたる大地震や津波で海に沈んだとされている。今回、記念の年を前にその生誕の地を特定し、文化財としての位置づけや新たな観光資源に役立てようと、大学研究者らと連携し本格的な調査を行うことになった。

 事前調査では、海洋考古学に詳しい東京海洋大学の岩淵聡文教授らが現地を訪れ、漁協関係者や日頃から海に潜っている海女へ聞き込みを実施。ドローンによる空撮も試みる予定で、結果を踏まえて潜水調査の時期や内容、範囲を精査する。

 市役所を訪れた岩淵教授は「伝承が正しければ、現在の大弁天、小弁天周辺の波打ち際に生誕の地があるはず。資料が少なく、痕跡を見つけるのは難しいが、広い視野をもって調査したい」と話した。