女性や子どもに配慮 雑誌市場の縮小も背景 ミニストップ成人誌販売中止

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既に成人向け雑誌が撤去されている千葉市内店舗の陳列棚=21日、千葉市稲毛区のミニストップ稲毛東3丁目店

 ミニストップ(千葉市美浜区中瀬1)が21日発表した成人向け雑誌の販売中止。成人誌にカバーを掛ける陳列対策を検討していた千葉市の働き掛けを機に、他のコンビニ各社が慎重姿勢を貫く中、長年続いてきた“当たり前の光景”に一石を投じた。女性や子どもの利用客に配慮し、誰もが利用しやすい店舗づくりを進める狙いだ。

 同社の判断は、市の動向がきっかけだった。熊谷俊人市長が今年2月、2020年東京五輪・パラリンピックを控え「(現状の販売方法は)国際的感覚に照らして疑問を持たれかねない」と、成人誌にカバーを掛けて表紙を見えなくするモデル事業の実施を発表。市内のセブン-イレブン約10店で展開するとしたが、同社が拒否。市は他のコンビニ事業者に働き掛けたが難航し、ミニストップもカバーを掛ける方法は作業負担が増えることから「現実的でない」とした。

 しかし、同社には以前から「(成人誌の陳列で)子連れでの入店をためらう」「トイレの前にあると困る」などの声が寄せられていた。加盟店の1割超の店舗で既に成人誌の販売をやめていることもあり、市の働き掛けを機に「カバー実験にとどまらない取り組みを」と検討していく中で、全面販売中止に至った。

 同社の主要な客層は30~40代男性。成人誌の販売中止に藤本明裕社長は「売り上げへの影響はゼロではないが、女性客に照準を合わせた商品展開の中で対策する。女性の割合は増えつつあり、客層を広げたい」と話す。

 雑誌全体の売り上げが減少傾向にあることも背景にある。同社によると、一般誌も含めた雑誌販売額は過去5年間で約2割減。成人誌の発行部数は5年間で約3割減り、市場も縮小している。

 来年1月の全店販売中止に先駆け、市内全43店舗で12月から販売を中止するが、市内では既に納品しておらず、成人誌は売り場からほぼ姿を消している。

 成人誌の陳列対策を巡っては、堺市が昨年3月から、ファミリーマートの一部店舗でカバーを掛ける取り組みを始めた。日本雑誌協会は「公費を使った過剰な規制。表現の自由が妨げられる」などと反発。今回の発表に対し、同協会は「(販売中止になる)成人誌の該当基準があいまいだ」としている。

 熊谷市長は21日の会見で「出版業界にとっても、どうすれば(成人誌の陳列が)理解され、共存できるかを考えるきっかけになる」と述べた。