歴史刻む“奇跡の奇石” 伝説と自然感じる場所 銚子の犬岩 【わが町おもしろ発見!?】(1)

犬の後ろ姿に見える犬岩=銚子市犬若
犬の後ろ姿に見える犬岩=銚子市犬若
海岸から屏風ケ浦を望む犬岩。首の左後ろ付近が大きく崩れているのが分かる
海岸から屏風ケ浦を望む犬岩。首の左後ろ付近が大きく崩れているのが分かる

 銚子市犬若地区の海岸で“巨大な犬”が海を見つめている。正体は「犬岩」と呼ばれる高さ約15メートルの犬の後ろ姿をした大きな岩の塊。歴史と伝説に富んだ“奇跡の奇石”だ。

 言い伝えでは、源義経に置き去りにされた愛犬・若丸が主人を慕って7日7晩鳴き続け、8日目の朝に犬岩に姿を変えたという。犬若や犬吠埼の地名は若丸に由来するとの説がある。

 悲しい伝説に思いをはせたいところだが、犬岩は県内で最も古い1億5千万年前の岩石「愛宕山層群」でできている。海洋プレートに乗って長い時間をかけて銚子にたどり着いた。「長年、風雨や波に削られる過程で犬の形になった。まさに奇跡の奇石です」。銚子ジオパークツアーガイドの石毛克也さん(52)は、自然の不思議を力説する。

 海岸から見れば両耳を立てた犬の後ろ姿だが、堤防に回って横や前から見るとただの岩の塊にしか見えない。自然崩壊が徐々に進んでいて首や耳が崩れないか心配が高まっている。

 犬岩付近は季節によって海に沈む夕日や195キロ離れた富士山を望むことができる。伊能忠敬が日本地図を作るため富士山の方位を観測したとの記録も残る。「銚子の自然と歴史を感じられる場所です」。石毛さんは犬岩の魅力を語る。


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