快眠グッズ商機あり 寝不足がち“秋の夜長”に 千葉県内店、コーナー展開 「体内リズム」改善研修も

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店頭に並ぶスプレーや手袋などの快眠グッズ=千葉市中央区の千葉ロフト
店頭に並ぶスプレーや手袋などの快眠グッズ=千葉市中央区の千葉ロフト

 秋の夜長は寝るのが遅くなりがちだ。そんな寝不足の人に各社が商機を見いだし、快眠グッズで競い合っている。心地よい音楽が眠りを誘うイヤホンや、たわしのような枕など商品は多彩。県内の店舗も快眠グッズコーナーを展開している。週末の寝だめで乱れた「体内リズム」の改善方法を教える企業向け研修も登場した。猛暑だった夏の疲れの解消にもつながると売り込みに躍起だ。

◆程よい刺激

 安眠用イヤホン「ボーズ スリープバッズ」(価格3万2400円)を発売したのは音響機器メーカーのボーズ。スマートフォンと無線でつなぐワイヤレスタイプで、形は耳栓のようだ。同社の担当者は「睡眠不足の人の健康不安が解決される」と鼻息が荒い。

 スマホに取り込んだ専用アプリで、波の音や木の葉が揺れる音などを選び、イヤホンで聞きながら床に就く。隣で寝ているパートナーのいびきなどの騒音が遮断され、よく眠れるという。

 千葉市中央区の千葉ロフトは今月から、快眠グッズを集めたコーナーを展開。寝室に吹きかけ、心身をリラックスさせる香水スプレーや睡眠時の手足の冷えを防ぐシルク製の手袋や靴下がそろう。就寝前にストレッチをするためのクッションも人気だ。担当者は「気温が下がるこれからの季節、眠りやすい環境づくりにお薦めの商品を集めた」と意気込む。同店を訪れた千葉大学1年の男子大学生(20)=同市稲毛区=は「寝付けないときに便利だと思う」と話した。

 渋谷ロフト(東京都渋谷区)も快眠グッズの品ぞろえを強化している。売れ筋は弾力ある繊維でたわしの感覚が味わえる枕「睡眠用たわし」(店頭価格1万584円)。売り場の担当者は頭皮に受ける程よい刺激が眠りに導くと説明する。

 線香で知られる日本香堂は、女性をターゲットにした枕用アロマ「アンミング2 ピローミスト」(店頭価格1080円)を発売。寝る前に枕に吹きかけると、ローズの香りに包まれて寝付きが良くなるとPRする。

◆損失15兆円

 寝不足の社員の増加は仕事の能率ダウンや思わぬ事故を招きかねない。こうした企業の不安解消を狙った研修も活況だ。

 大塚製薬は8月、大学の研究者らと共に「目覚め方改革プロジェクト」をスタートした。ホームページにぐっすり眠るための情報を掲載したり、すっきりした目覚めの鍵を握る「体内リズム」を整える研修を企業向けに実施したりする。

 帝人も4月から睡眠に着目した企業向けの研修を本格的に始めた。睡眠改善の研修を手掛けるベンチャー企業のニューロスペース(東京)は、2013年の創業以来、50社以上でセミナーを実施。小林孝徳社長は「IT系企業が業務の改善に役立てたり、夜勤がある業種で健康管理に利用したりするケースが多い」と話す。

 厚生労働省の16年の調査によると、20歳以上の19・7%が睡眠で十分な休養が取れていない。寝不足が借金のようにたまって心身に悪影響を及ぼす「睡眠負債」は17年の流行語になった。

 米ランド研究所は、日本の睡眠不足による損失は年間で最大1380億ドル(約15兆円)と推計する。快眠の人が増えれば、景気はもっと良くなるかもしれない。