「熱い、熱い」燃える部屋に飛び込み救出 足の不自由な1人暮らし男性を助けた夫妻に感謝状 木更津

人命救助で感謝状を贈られた額賀敏行さん(右)と美代子さん(中央)=木更津市
人命救助で感謝状を贈られた額賀敏行さん(右)と美代子さん(中央)=木更津市

 木更津市であった住宅火災で、部屋全体に火が回る危機一髪の状況下、足の不自由な1人暮らしの高齢男性を近所の夫婦が救出した。市消防本部は、自らの危険を顧みず人命救助に多大な貢献をしたとして、2人に感謝状を贈った。

 救出に当たったのは、同市大久保4の高校非常勤講師、額賀敏行さん(67)と妻の会社員、美代子さん(63)。

 昨年12月20日午前8時ごろ、2人は「ドーン」という爆発音を聞き、家から出ると近所の住宅2階窓から煙が出ているのが見えた。そこには、日頃から声かけをしている足の不自由な男性(70)が1人で暮らしていた。

 「何か絶対に起きている。119番して」。美代子さんは、そう敏行さんに伝えて現場へ。玄関に入ると、「熱い、熱い」という声が聞こえる2階に向かった。部屋全体が燃える中、男性はあおむけで横たわり、足元まで火が迫っている状況だった。美代子さんは男性を必死に引きずり出し、通報を終えて駆け付けた敏行さんと協力して屋外へと運び出した。

 2人は「(2階から階段下へ)よく下ろせたな。火事場のばか力だった。あそこまで燃えているとは…。とにかく早く下ろさないと危ないと思った」と振り返った。

 救出後、男性はやけどで病院に収容されたが、命に別条はない状態。通報から約7分後に消防隊が到着した時には2階部分はすでに焼け落ち、その後全焼した。2人による救出がなければ最悪の事態になりかねないケースだった。

 宗政靖消防長は「地域の顔が見える関係、日頃からの声かけ、助けたいという行動力と勇気、どれか一つでも欠けていたら救出につながらなかった」と2人の果敢な行動をたたえた。

(岡田正弘)


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